環境性能に優れた新車を購入する際に受けられる「補助金」や「税優遇」をご存知ですか?
「エコカー補助金」の言葉は聞いたことがあるけど、具体的な内容や対象車種など疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実は「エコカー補助金」は2013年2月に申請受付を終了し、現在は「CEV補助金」が設けられています。
また、現行の「CEV補助金」も2023年度と2024年度とでは補助金額の算定方法が大きく変わりました。
今回は「令和5年度補正 CEV補助金(車両)」の規定に基づき、2024年8月現在で利用可能な補助金の対象車種や補助金額の算出方法を解説し、環境性能に優れた車対象の税優遇についても紹介いたします。
この記事を読んでわかること
- 車購入時の補助金制度とは?制度の仕組みを解説
- CEV補助金の対象車種と補助金額の算出方法
- CEV補助金の申請から交付までの流れ
目次
車購入時の補助金制度とは?
車を購入する際に受けられる補助金制度とは、温室効果ガスの排出量ゼロに向けて環境性能に優れた車の普及を促すことを目的とし、購入費用の一部を補助する制度です。
自動車購入時に利用できる補助金は複数ありますが、大きく分けると「国の補助金」と「自治体の補助金」の2つになります。
購入する車両により補助条件が異なりますが、一般的には両本体価格から「国の補助金」と「方自治体の補助金」を併用し差し引いた金額が購入負担額になります。
ただし、補助金制度とは「予め補助金額を車両代金から差し引かれる制度」ではなく「車両購入後、手続きによって交付される制度」となるため、最初に車両代金を全額用意する必要があります。
国の補助制度
2024年7月現在、国の補助金制度は「CEV補助金」の1種類です。
CEVとはClean Energy Vehicleの略で、クリーンエネルギー自動車を指します。
この制度は「環境性能に優れたクリーンエネルギー自動車の購入費用の一部を補助するものであり、クリーンエネルギー自動車の普及促進を目的としているため、個人以外でも、公共団体や企業も受けることが可能な制度です。
2023年度と2024年度とでは補助金額の算定方法が大きく変わりました。
詳しくは後述します。
各地方自治体の補助制度
自治体の補助金は「都道府県」と「市区町村」の補助金があり、場合によっては併用できる場合があります。
補助条件は自治体ごとに異なりますので、お住まいの自治体がどのような補助金など支援制度を設けているのか確認しましょう。
詳しくは、次世代自動車振興センターの「地方自治体支援制度」よりご確認ください。
CEV補助金とは? 補助金額の算出方法
国の補助金制度「CEV補助金」とは一体どのような制度なのでしょうか?
どれくらい補助してもらえるのか算出方法を確認してみましょう。
補助金の対象となる車種は?
補助対象となる車種には、EV(普通電気自動車)、軽EV(軽電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)、超小型モビリティなどがあります。
クリーンディーゼル車やハイブリッド車(HEV)は、補助金の対象とならないので注意してください。
■CEV補助金の対象となる主な国産車種一覧
EV(普通電気自動車) | ・スバル ソルテラ ・トヨタ bZ4X ・日産 アリア、リーフ ・マツダ MX-30 EV MODEL ・レクサス RZ、UX 300e など |
軽EV(軽電機自動車) | ・日産 サクラ ・三菱 eKクロス EV など |
PHEV(プラグインハイブリッド車) | ・トヨタ クラウン(スポーツ)、ハリアー、RAV4、プリウス ・マツダ CX-60、MX-30 Rotary-EV ・三菱 アウトランダー、エクリプス クロス ・レクサス RX450h+、NX450h+ など |
FCEV(燃料電池車) | ・トヨタ MIRAI、クラウン(セダン) など |
超小型モビリティ | ・トヨタ C+pod |
詳しくは、次世代自動車振興センターの「銘柄ごとの補助金交付額(R6.4.1以降)」よりご確認ください。
補助金額算定方法とは?
2024年3月までは、車種の性能や給電機能の有無などによって、補助金額が増減していましたが、2024年4月より「自動車分野のGX(グリーントランスフォーメーション)実現に必要な価値」に基づいて車両やメーカーの取り組みを点数化し、補助額を決定しています。
■補助金額算定の基準項目と配点表
評価項目 | 配点 |
---|---|
車両性能(車種ごと) | 40点 |
充電インフラ整備(企業ごと) | 40点 |
整備の体制 / 質の確保(車種ごと・企業ごと) | 40点 |
整備人材の育成(企業ごと) | 20点 |
サイバーセキュリティへの対応(車種ごと) | 20点 |
ライフサイクル全体での持続可能性の確保(企業ごと) | 20点 |
自動車の活用を通じた他分野への貢献(車種ごと・企業ごと) | 20点 |
合計点 | 200点 |
■配点の合計点を基にした補助額
合計点 | EV | 軽EV | PHEV | FCV |
---|---|---|---|---|
130点~ | 85万円 | 55万円 | 55万円 | (差額の2/3) ×100% |
100~129点 | 65万円 | |||
85~99点 | 45万円 | 45万円 | 45万円 | ×80% |
70~84点 | 35万円 | 35万円 | 35万円 | ×60% |
55~69点 | 25万円 | 25万円 | 25万円 | ×40% |
~54点 | 15万円 | 15万円 | 15万円 | ×20% |
※FCVの「差額の2/3」とは、標準的燃費水準車両(同じ車種や同タイプのガソリン車)との差額の2/3となります。
申請した補助金はいつもらえるのか?
申請書を提出してから補助金が振り込まれるまでどれくらいかかるのでしょうか?
次世代自動車振興センターによると、概ね2ヶ月程度かかるとあり、申請受付開始時は申請件数が集中することから更に期間を要します。
ここで、補助金の申請から交付までの具体的な流れをご紹介します。
補助金申請をする前に確認しておきたい項目
補助金制度は、年度によって金額や条件の変更が異なります。
申請する前に確認しておきたい項目を紹介します。
CEV補助金申請の注意点
◆最新の交付条件を確認
補助金制度は、設けられている予算や交付条件が年度ごとに変わるので、対象車両や補助金額など最新の条件を事前に確認しておきましょう。
ネット検索で表示される記事は、情報が古いままになっている場合もあるので、申請を検討する際には、国や自治体のホームページで確認されることをおすすめします。
◆申請は車両代金を支払った後
補助金は、車両代金を支払った後の手続きになります。
予め補助金額を車両代金から差し引かれる制度ではないため、最初に車両代金を全額用意する必要があります。
◆申請の受付期間
事前に決められた予算の範囲内で交付されるため、補助予算の消化状況により受付期間を短縮することがあります。
受付期間内だからといって、必ず補助金を受給できるわけではない点に注意しましょう。
◆新車が対象
補助金の交付対象は新車新規登録(届出)で、自家用の車両に限定されます。
中古車・事業用車両の他、ナンバー登録済未使用車も対象外となります。
◆補助金を受けた車両の保有義務
補助金を受けた車両は、原則として定められた期間(新規登録(届出)日から4年又は3年は保有が義務付けられます。
やむを得ず処分をする場合は、事前の手続きと補助金の返納が必要となります。
次世代自動車振興センターの承認を得ずに、処分制限期間内に取得財産等の処分を行ったことが判明した場合は、補助金の全額返納を求めるケースがあるので注意しましょう。
CEV補助金申請の期限
補助金の申請の提出期限は、対象車両が登録(届出)、までに支払(支払い手続き)が完了しているかどうかによって異なります。
ローン購入の場合は契約が締結されていれば、補助金を受けることは可能です。
例えば、5月10日が新規登録(届出)日だった場合
新規登録(届出)日 | 新規登録(届出)日までに支払い手続きが完了している場合 | 新規登録(届出)日までに支払い手続きが完了している場合 |
---|---|---|
5月10日 | 6月9日 新規登録(届出)日から1ヶ月 | 7月31日 新規登録(届出)日の翌々月末 |
補助金の具体的な申請方法とは?
申請期限に注意しながら、具体的な申請方法を紹介しましょう。
補助金申請を専門家に相談される人も少なくありませんが、ここではご自身で申請する方法をご紹介します。
オンラインによるweb申請
補助金の申請にあたってはWEB申請が可能です。
次世代自動車振興センターの受付時間(平日の9:00~17:15)にオンライン申請ボタンを押した時点の日付(最終期限については、17:15まで)が申請日となります。
1)アカウントの作成
WEB申請が初めての方は「アカウント登録」からアカウントの作成を行います。
利用規約を同意後、「アカウントを作成」ボタンを押しアカウントを作成。
入力されたメールアドレス宛に登録確認メールが送信されます。
メール内にあるURLからサイトに入り、アカウントの設定と登録を完了します。
ログインとポータルの表示
2)ログインとポータルの表示
作成したアカウントのユーザーIDとパスワードを入力して「システムにログイン」。
ログインすると、ご自身のユーザーIDによる申請一覧画面(ポータル)が表示され、右上にアカウント名が表示されます。
3)申請者情報入力
「申請書の新規作成」ボタンをクリックし、作成を開始します。
表示に従って入力し、「登録」ボタンで登録完了となります。
4)管理No.の確認と申請書入力
申請書は下記10種必要となります。
申請書番号 | 申請書名 | 申請書番号 | 申請書名 |
---|---|---|---|
[0100] | 申請者情報 | [0200] | 身障者情報 |
[1100] | 車両情報 | [1200] | 車検証・所有者情報 |
[3100] | 手続代行者情報 | [1500] | 下取車情報 |
[3200] | Jクレジット情報 | [3300] | 口座情報 |
[9000] | 充電に関する調査 | [3400] | 誓約文 |
各項目の作成が終えたら、画面右下の「一時保存して進む」ボタンを押します。
※「一時保存して進む」ボタンを押すことで、添付書類のアップロードが開始できます。
5)添付書類のアップロード
申請書一覧にある「提出書類」ボタンを押します。
提出書類画面でアップロードする書類の「アップロード」ボタンを押します。
ファイルアップロード画面にある「ファイルの選択」ボタンを押し、ファイルを選択します。
ファイルアップロード画面の「アップロード」ボタンを押します。
6)申請完了
下記内容を確認し、画面右下の「申請」ボタンを押して申請完了となります。
・申請書登録の内容が全て登録されていること。 ・提出書類で必須書類が全て登録されていること。 |
申請後、メールが届きます。補助金交付完了まで保管して下さい
・申請完了メール ・アップロードした書類 |
郵送による紙申請
郵送による紙申請も可能ですが、郵便か信書便のみの取扱となり、持ち込みによる書類の提出は受付不可となりますので注意が必要です。
1)補助金交付申請書の提出
過去年度の申請書類では受付できませんので、必ず次世代自動車振興センターのホームページの「Ⅱ.申請者別補助金交付申請手続き」ページより申請書類の最新版を確認してください。
■必要書類一覧
必要書類 | 書類様式 (センター指定) |
---|---|
補助金交付申請書 | 様式S1-1 |
申請者の確認書類 (下記のうちいずれか1つ、写し)・運転免許証・住民票・印鑑登録証明書 など | ― |
申請車両の確認書類 (下記のうちいずれか1つ、写し)・自動車検査証(車検証)・標識交付証明書 など | ― |
購入を確認する書類 (下記のうちいずれか1つ、写し)・申請者宛の車購入の領収書・銀行振込の場合は銀行発行の振込証明書の写し・ローン、クレジットなどの軽釈書の写し など | ― |
社名及び購入価格の確認書類 (下記のうちいずれか1つ、写し)・申請者が車両購入者となっている注文書、請求書、売買契約書 | ― |
【下取車がある場合】車両販売会社が記入した「下取車入庫証明書」 | 様式4 |
【提出不要。申請時に作成し保管】・補助金を受けた車両(取得財産等)の管理のための書類 | 様式11 |
型式が「不明」となっている車両の仕様確認書類・メーカー又はメーカーの委託を受けた輸入事業者発行の確認書 | ― |
提出する書類は、「必要書類一覧」に記載された順に揃え、すべて片面A4サイズでの提出となります。
提出書類は修正テープ、修正液の使用や二重線による訂正は受付不可となりますので注意してください。
その他ホッチキス止めは禁止となりますので、必要な場合はクリップを用いると良いでしょう。
2)申請書類の送付
申請書類は、以下の宛先に郵便か信書便での送付となり、持ち込みによる受付は行われていません。
到着したかは次世代自動車振興センターのホームページの「審査状況確認」ページで確認することができますが、レターパック等、到着確認ができる方法での送付をおすすめします。
【書類送付先】 〒103-0027 東京都中央区日本橋1丁目16番3号 日本橋木村ビル9階 一般社団法人 次世代自動車振興センター CEV補助金(車両)受付 係 |
確認しておきたい税優遇制度
最後に、補助金制度とあわせて確認しておきたい優遇制度を紹介します。
エコカー減税
1998年に開始された「グリーン税制」から2009年に「エコカー減税」へと名称が変わりました。
環境性能に優れた自動車に対して「自動車重量税」が軽減する特例措置のことです。
厳しい物価高と納期長期化例な措置として制度2023年末まで据え置かれていた税率が、2024年1月より引き上がりました。
グリーン化特例
グリーン化特例とは、2015年4月1日以降に新車登録された車両から適用された、排気量に応じて課税される「自動車税(軽自動車税)」に対して適用される特例です。
電気自動車やハイブリッド車など、二酸化炭素の排出量が少ない自動車を対象に、自動車税(軽自動車税)を減額されます。
こちらも、現行制度の適用期限を2026年4月まで延長することが決まっています。
環境性能割
環境性能割は、自動車を購入したり、譲り受けたりした際に納める税金のことです。
従来の自動車取得税が2019年9月30日に廃止され、その代わりに導入された税金です。
新車・中古車を問わず車を取得するとかかる税金を、車の取得価額に、燃費性能に応じた税率を掛けて算出し、燃費性能が優れている車ほど税率が低くなるため、税負担を抑えることができます。
車購入時の補助金制度のまとめ
ここまで、国の補助金制度「CEV補助金」について解説してきました。
地球温暖化対策として温室効果ガスの排出量削減が世界的な課題となっています。
日本政府も「2050年に自動車の生産、利用、廃棄を通じた CO₂ゼロを目指す」を掲げおり、燃費性能の高い車や電気自動車などの普及を促進するために、補助金制度によって購入費用を支援し、環境負荷の低減を図っています。
2009年4月~2010年9月に「エコカー補助金」として初めて交付されて以来、その支援活動は時代とともに進化を遂げてきました。
2024年、補助金予算は前年より大幅に増加、補助金額の算出も企業やメーカー努力が反映されるなど、2050年カーボンニュートラルの実現に向け大きく変化しました。
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