
夏に多い車のトラブルとして、エアコントラブルが挙げられます。
暑い夏に車に乗って、冷風が出ないと困ってしまいます。
エアコンのトラブルはエアコンフィルターの詰まりや汚れをはじめ、エアコンガス不足や部品の故障の可能性もあり、放置しておくと危険です。
今回は本格的な夏を迎える前に知っておきたい、車のエアコンが効かなくなる原因や対処法、修理費用などをご説明します。
この記事を読んでわかること
- エアコンが効かなくなる原因と対処法
- 修理に必要な費用の目安
- トラブルになる前にしておくべきメンテナンス
目次
エアコンから冷風が出る仕組み

エアコンから冷風が出る仕組みを簡単にご説明します。
エアコンの冷房は、液体が蒸発するときに周囲の熱を奪う気化熱の原理を利用しています。
①エアコンガス(冷媒)を高温高圧状態に圧縮し、半液体化
②圧縮した冷媒を冷やし、液体化
③液体化した冷媒の圧力を下げて霧状にする
④霧状の冷媒が気化することで冷たい空気が出る
①〜④サイクルを繰り返すことでエアコンから冷風が出ています。
かいた汗の水分が蒸発すると、体温が下がるという人体の原理と同じです。

エアコンが効かなくなる原因と対処法

エアコンの冷房が効かなくなる代表的な原因と対処法を4つご説明します。
エアコンフィルターの詰まり
エアコンフィルターは塵や埃がエアコンの内部に入り込まないようにする役割を担っています。
ゴミが溜まりやすいため、放置しているとエアコンの効きに影響がでます。
オートエアコンの場合は室温を設定温度にするために多くのパワーを使い、燃費が悪くなる可能性もあるため注意です。
対処法
エアコンフィルターは消耗品なので、定期的な交換が必要です。
交換目安は車の使用状況によって異なりますが、1年に1度、もしくは走行距離1万㎞に1度がおすすめ。
車内で煙草を吸う方や砂埃、粉塵の多い地域にお住まいの方はフィルターが汚れやすいため、上記目安よりも早く交換が必要になる可能性があります。
また、フィルターからカビ臭がしているなどの場合は交換目安になっていなくても早めの交換をお願いします。


エアコンガス不足、ガス漏れ
エアコンガスは冷房を使用するうえで必要不可欠な冷媒です。
通常、自然に大きく減ることはないのですが、走行中の振動により少しずつ漏れたり、部品に穴が空いてしまっていると漏れてしまったりします。
また、エアコンガスは長年使用することで水分や不純物が混入し、エアコンの効きに影響を与える場合があります。
対処法
エアコンガスが不足している場合には、ガスの補充をします。
しかし、エアコンガスが漏れてしまっていると補充してもまたすぐに冷えなくなってしまうため、ガス漏れしていないかを整備工場などで点検してもらいましょう。
1年〜2年に1度くらい、エアコンガスクリーニングもおすすめです。
エアコンガスを一度全て抜き、エアコン内の汚れなどを取り除いてからガスを補充します。
ガス漏れやガスの通り道が詰まってしまっている場合には修理が必要です。
部品の故障
エアコンの冷房を使用するためには、エアコンガスを圧縮する役割を担うコンプレッサーやコンプレッサーに電流を流すリレー、エアコンから風を送るためのブロアファンモーターなど様々な部品が必要です。
その内、どれか1つでも故障するとエアコンの効きが悪いと感じます。
対処法
エアコン内部は複雑なため、整備工場などの専門店で点検してもらうことをおすすめします。
部品交換が必要な場合など時間がかかることもあるため、本格的にエアコンを使用する季節が来る前に点検しておきましょう。
故障ではなく、簡単な操作で解決する場合もある
エアコンが効かないと思ったときに、故障ではないケースもあります。
- ・ACボタンがOFFになっている
- ・内気循環になっていない
- ・風量/温度調節
- ・渋滞などで走行していない
- ・アイドリングストップ
ACボタンがOFFになっている
エアコンのACボタンをONにすることで、コンプレッサーが動きエアコンから冷たい風が出る仕組みになっています。
ぬるい風が出てくるときには、ACボタンがONになっているか確認しましょう。
内気循環になっていない
エアコンには外からの空気を取り入れる外気導入と、空気を車内で循環させる内気循環があります。
暑い夏に外気導入をすると外の暑い空気が車内に入るため、冷房が効きづらくなります。
風量/温度調節
オートエアコンであればオート機能を使用するのがおすすめです。
マニュアルエアコンであれば風量が弱くなっていないか確認しましょう。
合わせて、温度設定が高くなっていないか確認してください。
渋滞などで走行していない
エアコンガスを液化する役割のコンデンサー。
このコンデンサーを冷やすための風が渋滞などで上手く取り込めない場合、コンデンサーが冷やされずに冷房の効きが悪くなります。
アイドリングストップ
エンジンのアイドリングストップ中はエアコンの風が送風に切り替わります。
ON/OFFの切り替えスイッチがあるため、停車中の送風が気になる方はOFFにすることをおすすめします。




修理費用はどのくらい?費用の目安と修理できる場所

エアコンのフィルター交換など車に詳しい方であれば自身で行う方もいますが、エアコン内部の部品交換や修理などは、その原因追及含めプロに任せると安心です。
プロに任せた場合の修理費用の目安をご紹介します。
内容 | 費用目安 | 修理/交換可能な場所 |
---|---|---|
エアコンフィルター交換 | 3,000円~5,000円 | 整備工場 カー用品店など |
エアコンガス補充 | 4,000円~10,000円 | 整備工場 カー用品店など |
エアコンガスクリーニング | 7,000円~10,000円 | 整備工場 カー用品店など |
部品修理/交換 | 10,000円~100,000円 | 整備工場 カー用品店など |
※依頼する業者、車種、部品の種類により異なります。
エアコンフィルター交換
エアコンフィルター交換は自分でも行うことができる作業です。
専門業者に頼む場合も作業時間が短く済むため、工賃が安くなります。
部品代は約2,000円〜、工賃は1,000円〜が相場です。
夏前にはエアコンフィルター点検や交換のキャンペーンを行う業者もあるため、チェックしてもらってはいかがでしょうか。
エアコンガス補充/エアコンガスクリーニング
エアコンガスの補充だけであれば、ガスの種類により異なりますが4,000円〜が相場です。
車の購入後、数年が経過している場合にはエアコンガスクリーニングがおすすめ。
エアコンガスクリーニングをおこなうことでエアコン内の水分や汚れが取れ、エアコントラブルを予防し、長く使うことができます。
エアコンガスクリーニングで行うことは以下の項目です。
・冷媒ガスを真空引きですべて吸い出し、ガスの中にある不純物や水分を取り除く
・規定量のガスを補充
・ガスを圧縮する役割を担うコンプレッサーのオイルを抜き、新しいオイルを補充
クリーニングと一緒にエアコン添加剤を入れると、コンプレッサーの動きが良くなりエアコンが効きやすくなります。
その他、部品交換
部品の修理や交換が必要な場合もあります。
壊れやすい、代表的な部品には以下のようなものがあります。
- ・コンプレッサー
- ・コンデンサー
- ・エキスパンションバルブ
- ・ブロアファンモーター
- ・エバポレーター
コンプレッサー
エアコンガスを圧縮する役割を担う、コンプレッサー。
故障の場合は50,000円〜100,000円と費用が高額です。
コンデンサー
コンプレッサーで圧縮されたガスを冷却する役割を担うコンデンサー。
交換には30,000円〜60,000円程度費用がかかります。
エキスパンションバルブ
圧縮された液状のエアコンガスを霧状にして噴射させるという役割を担います。
修理費用は10,000円〜30,000円程度です。
ブロアファンモーター
車内/車外の空気を取り入れて送風するためのファンです。
エアコンの送風口から風が出ない、ダッシュボードのあたりから異音がする場合、故障が考えられます。
修理費用は20,000円〜40,000円程度です。
エバポレーター
ブロアファンから送風された空気の熱を奪うことで冷やす役割を担うのがエバポレーターです。(熱交換器)
エアコン内で最もカビが発生しやすい場所でもあります。
汚れを洗い流す洗浄のみで済む場合は5,000円〜、修理交換の場合は50,000円〜100,000円程度費用がかかります。




エアコントラブルが起こる前にやっておきたいこと

エアコンの掃除を自分で行う
エアコンは特に夏と冬に使用することが多いと思いますが、使用していない間にも埃やゴミなどが溜まり続けています。
掃除しないまま使用開始すると、一気に埃が出てきてくしゃみが止まらない状況になることも。
エアコンの効きにも大きな影響を及ぼします。
エアコンの吹き出し口や周辺など、自分で掃除可能な範囲は定期的に掃除するようにしましょう。
年に1度のメンテナンスがおすすめ
エアコン内部は複雑な構造のため、自分でメンテナンスするには限界があります。
そのため、前述したエアコンガスクリーニングやエバポレーターの洗浄、エアコンフィルターの交換などは、車の他の点検と合わせて定期的におこなうことをおすすめします。
車には12か月点検、24か月点検という法定点検があります。
エアコンメンテナンスのタイミングが分からないという方は、法定点検の際に一緒に行うと良いでしょう。
また、エアコンが効きづらい、かび臭いなど症状がある場合には、自動車ディーラーや専門業者に対応してもらってください。
車のエアコンが効かない原因と対処法 まとめ


今回は夏が来る前に知っておきたい、車のエアコンが効かない原因と対処法、修理費用についてご説明しました。
エアコンフィルター交換など自身でできるものもありますが、エアコンが効かない原因追及含め、多くは車のプロに任せた方が安心。
段々と暖かくなってきましたが、夏のカーライフを快適に過ごすためには事前のメンテナンスが最も大切です。
本格的な夏が来る前に、ぜひ一度オイル交換などと合わせてお近くの車のプロにカーエアコンの点検をお願いしてみてください。


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