
日頃の疲労や睡眠不足から、運転中に眠気を感じた経験のある方も多いのではないでしょうか。
特に直線が続く単調な道路などは、より眠気を誘います。
思わぬ事故に繋がる居眠り運転は、ドライバーの意識と対策で防げる事故です。
死亡事故に繋がるケースも多いため、しっかりと対策をしましょう。
この記事を読むと「居眠り運転の原因」「知っておきたい居眠り運転の前兆」「居眠り運転の対策」が分かります。
目次
居眠り運転はなぜ起こる

居眠り運転の原因である眠気の原因は主に「睡眠不足」や「疲労」です。
さらに細かく、眠気の原因をご紹介します。
- ・睡眠時無呼吸症候群
- ・副作用として、眠気が生じる薬の服用
- ・満腹感
- ・単調な道路の走行による刺激の低下
- ・眠気を感じやすい時間帯の運転
- ・身体疲労(重労働)
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは眠っている間無呼吸状態が繰り返される病気です。
日本には約300万人以上の治療が必要な患者がいると言われていますが、適切な治療を受けている患者は少なく、危険な状態のまま日常生活を送っています。
睡眠時無呼吸症候群になると熟睡できず、睡眠不足の状態が慢性的に続いてしまうため、日中に強い眠気に襲われる可能性が高くなり危険です。
実際に、新幹線やバス、乗用車での交通事故が睡眠時無呼吸症候群が原因で発生しています。
眠気が生じる薬の服用
頭痛や風邪のときに薬を飲む場合、副作用による眠気に注意が必要。
抗ヒスタミン剤や鎮静作用、鎮咳作用などの成分が含まれている場合に眠気を感じます。
市販薬の場合にも病院で処方される場合にも、乗り物の運転に関する注意が記載されていますので、必ず確認するようにしましょう。
満腹感
昼食後など、眠気に襲われた経験のある方も多いはず。
これは、血糖値の急激な変化が原因です。
急いで食事を摂ったり、満腹まで食べたりすると眠気を感じやすくなります。
単調な道路の走行による刺激の低下
景色に変化がなく、運転操作もあまり必要ない場合に注意力や判断力が低下する現象を「高速道路催眠現象」といいます。
疲労や睡眠不足に限らず起こる現象のため、注意が必要です。
眠気を感じやすい時間帯の運転
前述の通り食事を摂った後は眠くなりやすく、さらに、生体リズムにより午前2時〜4時と午後14時〜16時は眠気が高まる時間帯と言われています。
【眠りの生体リズム】
- 24時間周期「サーカディアン(概日)リズム」
- 12時間周期「ハーフサーカディアン(半概日)リズム」
- 1.5~2時間周期「ウルトラディアン(超日)リズム」
サーカディアン(概日)リズムでは午前2時〜4時に、ハーフサーカディアン(半概日)リズムでは午前2時〜4時と午後14時〜16時に眠気のピークがおとずれるとされています。
また、ウルトラディアン(超日)リズムは単調な作業をしている際にあらわれやすく、高速道路走行時に特に注意が必要です。
身体疲労(重労働)
疲れが溜まっていると、たとえ睡眠時間が十分取れていたとしても疲労感が残ってしまう場合があります。
体のだるさや疲労感、眠気など自分の体調の変化には注意しましょう。

居眠り運転が起こる前兆とは


居眠り運転をしてしまうと、重大な事故に繋がる可能性が高くなります。
そのため、休憩などの居眠り運転対策を取れるよう前兆を見落とさないようにしましょう。
居眠り運転の前兆には以下のようなものがあります。
- ・あくびの回数が増える
- ・ぼんやりとしてしまう
- ・信号が変わったときや先行車の発進に気づくタイミングが遅れる
- ・車線の真ん中を走行できていない(ふらつく)
- ・車間距離が詰まってしまう など
運転中に限らず、一瞬意識が飛んでしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。
その現象は、マイクロスリープと呼ばれる瞬間的に数秒間眠ってしまう現象です。
睡眠不足や過労が大きな原因と言われており、誰にでも起こりうる危険な現象なので、すぐに運転を中止して仮眠や休憩を取るようにしてください。


居眠り運転による罰則
居眠り運転による交通事故は「安全運転義務違反」もしくは「過労運転」として罰則と違反点数が科されます。
安全運転義務違反
道路交通法第70条には「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」という安全運転の義務が定められています。
また、居眠り運転が判明すると事故を起こしていない場合でも罰則の対象になるためご注意ください。
安全運転義務違反の違反点数は2点、反則金額は車両の種類により異なります。
種類 | 反則金額 |
大型車 | 12,000円 |
普通車 | 9,000円 |
二輪車 | 7,000円 |
小型特殊車 | 6,000円 |
原付車 | 6,000円 |

過労運転
居眠り運転は過労運転と判断されることもあります。
道路交通法第66条「過労運転等の禁止」には「過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」と明記されています。
居眠りの原因によって「安全運転義務違反」か「過労運転」の判定が異なり、過労運転は「正常な運転ができないおそれがある状態」で運転をしているため、罰則が重くなる点に注意。
違反点数は25点と無免許運転や酒気帯び運転(0.25以上)と同等の罰則です。
過去の前歴が無い場合でも運転免許取り消し処分となり、2年間は運転免許取得は不可能に。
さらに、刑事処分の対象として3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるため非常に重い罰則と言えます。
なお、過労運転の基準として「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」が厚生労働省より公開されていますのでご確認ください。
こちらでは、「タクシー・ハイヤー運転者」「トラック運転者」「バス運転者」の拘束時間、休息期間、運転時間等の基準などが定められています。



居眠り運転を防ぐために何ができるか
居眠り運転を防ぐために、ドライバーができる身近な対策方法を3つご紹介します。
- ・適度な休憩や仮眠をとる
- ・音楽や同乗者との会話を楽しむ
- ・飲食により脳に刺激を与える
適度な休憩や仮眠をとる
長時間の運転があらかじめ分かっているときには、2時間に一度程度は休憩しましょう。
こまめな休憩は、眠気防止にも繋がるためおすすめです。
眠気を感じた場合は、無理に運転しようとせずにサービスエリアなどの駐車可能なスペースを利用し、仮眠をとるなどして休憩しましょう。
仮眠から目覚めた後すぐの運転は、寝ぼけていたり再び眠気が来たりとリスクがあると言われています。
安全のため、仮眠の後には車から降りて体を動かすなどしっかり体や脳を目覚めさせてから運転を再開するようにしてください。
音楽や同乗者との会話を楽しむ
自分の好きな音楽を車内で流して歌う、同乗者がいる場合には運転の妨げにならない程度に会話を楽しむのもおすすめ。
アップテンポな音楽では運転が荒くなったり、速度超過になってしまったりする可能性があるため注意が必要です。
安全運転を第一に適切に音楽や会話を楽しんでください。


飲食により脳に刺激を与える
運転中は血糖値の低下による眠気を防ぐ糖分の多い飲み物の摂取や、脳の覚醒に役立つカフェインやキシリトールが配合されたガムを噛むなどもおすすめです。
眠気覚ましにコーヒーを飲む方も多いと思いますが、カフェインは効果を発揮するまでに15〜20分程度時間がかかると言われていますので、ご注意ください。
飲食はあくまで居眠り運転防止の補助的な役割を担うものですが、手軽にできる対策として重宝します。
疲れているときは「運転しない」という選択


ここまで居眠り運転の対策をいくつかご紹介してきましたが、その対策はどうしても運転をしなければならない場合に試して頂きたいものです。
睡眠不足や疲れを感じるときは、そもそも「運転しない」という選択をするのが最も安全です。
無理せず休んだり公共交通機関を利用したりと、そのときの状況で最も安全な対策を選択しましょう。
居眠り運転に注意なのは春だけじゃない!まとめ


今回は居眠り運転について、原因や対策をご紹介しました。
眠気は寝不足や疲労のほか、疾病や薬の服用、生体リズムによっても引き起こされます。
眠気を催す成分の入った薬を服用した場合の運転は厳禁です。
ドライバー一人ひとりの意識や行動が、居眠り運転による重大な交通事故を防ぎます。
十分な睡眠が取れていないと感じるとき、体のだるさや疲労感が残っているときにどうしても運転をしなければいけない状況は誰にでもあります。
その場合は、適度な休憩をはじめとした居眠り運転を防ぐ工夫をしながら安全運転を心がけましょう。


埼玉県の三郷市・越谷市・春日部市に店舗を構える軽自動車専門店、レディバグ。
私たちは低価格で高品質な届出済未使用車(新古車)を提案し、トータルサポートを通じて安心・安全なカーライフをお約束します。