
数多いレースの中で、軽自動車だけで行われているレースがあることをご存知でしょうか。その名も『東北660選手権』。4輪運転免許を所持していれば、誰もが参加できるこのレースが人気を集めています。今回はそんな東北660選手権をご紹介していきましょう。
この記事を読んでわかること
- 東北660選手権とは
- ・参加概要
- ・レース攻略法
目次
東北660選手権とは

軽自動車によるこのレースが東北の地でスタートしたのは2011年のことでした。当時からライトウェイトスポーツカーがどんどん姿を消し、新車価格が上昇の一途をたどるようになりました。現在も同じ状況は続いています。環境性能や安全性を考えた装備が追加されるなど、時代に合った仕様変更が求められたためともいえるでしょう。
草レースにもその波は押し寄せ、中古車の価格高騰のほか、チューニングパーツも価格が上昇しています。そこでランニングコストも比較的安い軽自動車に目がつけられ、『スポーツランドSUGO』と『仙台ハイランドレースウェイ』に軽自動車のレース企画が持ち込まれました。
軽自動車にはローパワーだからこその難しさに加え、自然吸気のNAならではの面白さがあります。また、当時はMTの選択肢も多かったことも軽自動車を選択した理由になっているようです。
当初考えられていたクラスは3つ。「改造範囲が広いハイグリップクラス」と「改造範囲を狭めたセカンドグレードクラス」、そして「CVTやATなどの2ペダルクラス」です。開幕直前には東日本大震災が発生し、仙台ハイランドレースウェイはコースの一部が崩落する被害を受けてしまいます。
そのような逆境の中、参加者たちの後押しもあり年3回開催されるレースとしてスタートすることができました。その後仙台ハイランドレースウェイでは東日本大震災に引き続き、2012年の爆弾低気圧被害により、2014年にはサーキット閉鎖に追い込まれてしまいます。
レースの存続が危ぶまれる事態を乗り越え、現在ではスポーツランドSUGOとエビスサーキットに舞台を移して開催を続けてきました。当初の目標は「5年で30台のエントリー」でしたが、3戦目で30台を突破。その後も盛況ぶりは健在で、現在もエントリーする台数が増え続けています。

開催されているサーキット
スポーツランドSUGO


1975年に宮城県柴田郡で誕生した総合モータースポーツ施設で、もともとは『ヤマハ発動機』のテストコースでした。現在ではホテルやキャンプ場、プールなども備えたレジャー施設として人気を集めています。
サーキットは、『国際自動車連盟(FIA)』公認の国際レーシングコースを含む4つの専用コースを備えた本格的なコースです。『モトクロス選手権・日本グランプリ』の他『SUPER GT』 第6選の開催地にもなっています。


<代替テキスト>スポーツランドSUGO 東北660選手権シリーズ特別戦 シケイン
『SUPER GT』では関係者やファンから“ドラマチックSUGO”とも呼ばれており、何かが起こるサーキットとして有名です。山間部の斜面に作られた短めなコースはアップダウンがきつく、後半は中高速のコーナーが多いためスリリングな全長3.6㎞となっています。
開設当初のコースレイアウトはシンプルで、5つのコーナーしかありませんでした。第1、第2コーナーを抜けてバックストレート、そこから馬の背コーナーに続く最終の左コーナーです。当時のレースではポールタイムが約48秒と1分もかからないため、せわしないレース展開となっていました。
1987年に全面改修が行われ、第1、第2、第3コーナーの次にヘアピンとS字というハイポイントが新設されています。また、バックストレートは延長されセーフティーゾーンは拡大。新設されたSPコーナーを登りで抜けると、最終コーナーには旧コース同様に高速コーナーが待ち受けています。
新しいSUGOは、ストレートを基調としたテクニカルなコーナーを増設。さらに緊張感あふれるコースへと変貌を遂げました。山間部の激しいアップダウンとコースの狭さもあり、何が起こるか分からない魔物が棲むドラマチックSUGOと呼ばれるまでになっています。


エビスサーキット


1986年に福島県二本松市で開業したエビスサーキットには9つのコースが設定されています。大きなレースの開催はありませんが「ドリフトの聖地」とも呼ばれているサーキットです。代表を務める熊久保伸重さんは、ドリフト競技の『D1グランプリ』で2006年、2012年にチャンピオンを獲得しています。また映画『ワイルド・スピード X3-TOKYO DRIFT』でカースタントを担当したレジェンドです。
福島県中火に位置する百名山のひとつ、安達太良山の山裾を利用したコースでは『D1グランプリ』が数多く開催されてきました。その中のひとつ「東コース」は全長2,061mで、『JAF』や『日本モーターサイクル協会(MFJ)』の公認コースとなっています。
東コースの特徴は何といっても高低差で、最大67mもあるタフなコースです。最終コーナーは14%の登坂になっているので、最後まで目の離せないレース展開が期待できるはず。また西コースは、高低差がなく長めのストレートからヘアピンへのつながりが楽しめるコースです。『東北660選手権』は西コースと、東コースで開催されています。






レースの概要
2023年の大会概要から抜粋してご紹介していきます。
項目 | 内容 |
開催場所 | スポーツランドSUGO/エビスサーキット東コース、西コース |
参加資格 | 4輪運転免許証を所持する心身ともに健康な人 |
参加料金 | SUGO会員:20,000円 一般:23,000円 特別戦(SSCM会員):23,000円 一般:26,000円 エビスサーキット:20,600円 |
レース開催回数 | 4戦と特別戦 |
レース周回数(決勝) | SUGO:8周 エビス東・西:10周 |
開催クラス
クラス名 | 改造の限度 | 詳細 |
クラス1 | 高 | 公式レース経験者、上級者、デモカー |
クラス2 | 中 | 公式レース経験者、3クラスで表彰台の規定回数に達した人 |
クラス3 | 低 | レース経験の少ない人、久しぶりにサーキットを走る人 |
クラス4 | 高 | AT、CVT車 |
クラス5 | 中 | 車両が1~4のいずれかのクラスに適合していること |
2022年からHA36カップといわれるアルトHA36だけのワンメイクレースも開催されています。
クラス | 詳細 |
クラス1 | MT車両 |
クラス2 | AGC(Auto Gear Shift)またはCVT(無段変速機) |
参加車両のレギュレーション
1998年(平成10年)10月以降に製造された軽自動車で、新安全衝突基準に適合しているNA(自然吸気)エンジンを搭載した車両。注意したいのは新車時と異なる型式に換装した車は、公認車検の有無を問わず出場することが認められていません。
軽自動車の自然吸気(NA)の魅力
軽自動車の排気量は660㏄だということは皆さんよくご存じの通りです。最高出力はメーカー側の自主規制によって64psに統一されています。現在ではパワーのある軽自動車といえばターボを搭載したエンジンが主流です。では非力な自然吸気のNAエンジンを採用しているレースの魅力はどこにあるのでしょうか。
パワーウェイトレシオ


車の動力性能を表す出力は馬力と呼ばれることも多いもの。エンジンのパワーを表す出力が大きいことは走行性能に大きく影響しますが、出力が車の性能の全てではありません。いろいろな要素によって車の走行性能は決まるため、この数値が大きい(小さい)から速いとはいえませんが、スペックの指標のひとつにパワーウェイトレシオがあります。
パワーウェイトレシオは「馬力当たりの重量」のことで出力加重比のことです。つまり1馬力当たりの車重のこと。計算方法は車両重量(kg)÷馬力(ps)で計算可能です。例えばホンダ S660βMTの場合830÷64=12.9kg/psとなり、1馬力あたり約12.9kgの重りを背負うことになります。
ライバル車ともいえるダイハツ コペン5MTを計算してみると850÷64=13.2kg/psとなり、S660よりもわずかに背負う重さが重くなることが分かりました。これはひとつの指標であり、ギア比やタイヤのサイズでも数値は変わるので一概に速さを判断できるものではありません。しかし車重の軽さは加速性能に重要な役割を果たしているといえるでしょう。
軽さによるメリットは、車を停止状態から発進させる場合に、軽い車の方が必要なエネルギーが小さくなる点です。車を減速させたり停止させたりする場合も同様で、す。重い車の方がエネルギーは大きいといえます。軽い車の方が燃費もよいということになるでしょう。
また、コーナリングの遠心力では重い車の方が大きくなります。タイヤのグリップに差がないとすると、コーナリング時にスピードダウンする必要が大きいのは重い車の方です。車重が軽いということは、加速力、コーナリング性能、ブレーキング性能にメリットがあります。
シンプルな構造のNAエンジンはパーツが少ないことから軽量に仕上げることができます。加えて低コストなことも魅力のひとつです。東北660選手権ではNAエンジンに絞られたセッティングとなっており、改造範囲が狭いためお金をかけた分だけ速くなるというものではありません。
そのため、車のセットアップや走り込みの練習量において参加者の熱量はとても高くなっています。天候による路面の状況や試走タイムなどさまざまなデータの蓄積には余念がありません。さらに走り込みの回数などは、公認レースに劣らないほどの努力をしています。
東北660選手権で人気の車種
1998年10月以降に製造された軽自動車というレギュレーションがありますが、出場している人気の車種は以下の通りです。どんな軽でも良いかといえば、やはりレースに向いている車種に人気が集まっています。
スズキ アルトHA36


東北660選手権が始まって間もない頃の主力マシンだったHA23は減りつつあり、変わって台頭しているのはアルトHA36です。アルト8代目となるモデルで、2014年に発売が開始され2021年に生産を終了しています。セダンがHA36- S型、バンがHA36V型と呼ばれています。
先代モデルと同様のNAエンジンですが、シリンダーヘッドがエキゾーストマニホールドと一体型に刷新されました。これにより燃費性能の向上に役立つと共に低中速域でのトルクが向上しています。特筆すべき点は610kgという車両重量です。レースでは”軽さは正義”という言葉があるとおり、アルトHA36がレース車両となるポテンシャルは十分にあるといえるでしょう。
純正車両に車重の軽さというメリットはあるものの、レースに必要なチューニングアイテムなどは今まで充実していませんでした。しかし最近ではロールケージやサスペンション、ECUのチューニングパーツまでラインナップが豊富になってきました。その結果スポーツ性能の低いアルトHA36がスポーツカーへと変貌を遂げます。
購入する際の重要なポイントとして、最近まで現行車だったため中古車としての流通台数が多く、価格が安定していることです。また年式が新しい分普段の使い勝手も良く、パーツも豊富に揃うということも挙げられるでしょう。
ダイハツ ミラ L700


1998年に発売された5代目のミラL700は、軽自動車の規格改正を受けフルモデルチェンジが行われました。エンジンにはバルブ機構を備えたEF-VEエンジンを搭載し、スムーズな発進と加速を実現するといわれています。
しかしNAモデルのEF-VE エンジンは、吸排気バルブを1本のカムシャフトで作動させるシングルカムとなっており、レースではパワー不足になる可能性が高くなるでしょう。そのためエンジンをEV-VEのツインカムに換装することが必要ですが、エンジンは同じなので公認車検の必要がないのは嬉しい点です。710kgと車両重量も軽く低重心で、出力も58psと高いため人気の一台になっています。


2006年に発売された7代目のL275型も人気があります。L700のホイールベースが2,360mmだったことに対して、L275は2,490mmと拡大されたことで当初は懸念されていました。時間が経つにつれてセッティングが進められると、ロングホイールベースであることが安定感につながることが分かり人気が高まります。
またエンジンの動力を上手く引き出すためにギアを介してタイヤに伝えていますが、最適なギアの回転を決めることを「ギア比」といいます。エンジン側のクランクシャフトが1回転するために、出力側のトランスミッションを何回転させるかという比率のことです。
実はL275は、SUGOのサーキットとギア比が合っているという情報もあります。年式の新しさから車体剛性もしっかりとしており今後も人気を集めていくのではないでしょうか。
ダイハツ エッセ


エッセはミラをベースにした5ドアハッチバックです。2005年に発売が開始され、軽量ボディによる燃費性能の高さとヨーロピアンテイストなエクステリアで女性から支持を集めていました。その後2011年に生産を終了しています。
台形型のシンプルなボディと、室内にはあえて鉄板をむき出しにした部分を残すことでコストダウンと軽量設計が図られました。当時はレース車両として考えられていたわけではありませんが、ここにきて東北660選手権をはじめとする軽自動車のレースで注目を集めています。
加えて採用されているエンジンは新開発されたKE-VE型で、直列3気筒のNAで出力は58psとなっています。さらにこのエンジンはアルミ製ブロックと樹脂製パーツの多様により軽さを追求したエンジンです。そのため車重は700kgで、パワーウェイトレシオは12.6kg/psを達成。
トランスミッションには5MTを採用。もあり、軽スポーツカーと呼べる走りの楽しさから、社外チューニングパーツも多く販売されています。そのため『オール・ジャパン・エッセ・カップ(AJEC)』 なる、エッセのみで戦われるレースの開催もあるようです。
スバル プレオ
プレオはスバルが1998年から2018年まで販売していた軽自動車で、2010年からはダイハツ ミラのOEM車となっています。プレオはスバルが1992年から1998年に販売していたヴィヴィオの後継モデルです。
ヴィヴィオといえば、軽自動車として『WRC』のサファリラリーに参戦し、見事にクラス優勝を経験したことでも知られています。また『ニュルブルクリンクサーキット』でのテスト走行では、9分54秒を記録しました。国内では『筑波サーキット』で1分13秒35の記録を残しており、軽自動車とは思えない走行性能を見せています。


現在のニュルブルクリンクでは6秒台を出す車が上位を独占していますが、当時はスカイランGT-R 32型で8分20秒だったことを考えれば、ヴィヴィオのずば抜けた走行性能が理解できるでしょう。
軽自動車といえば3気筒エンジンが主力ですが、ヴィヴィオは4気筒エンジンを搭載し、サスペンションも四輪独立式を採用するという強いこだわりがありました。そんなヴィヴィオの後継モデルだったプレオは「ミニレガシィ」の異名を持っています。
軽自動車のトールワゴンという新しいカテゴリーを作ったスズキ ワゴンRに対抗するべく、プレオの車高は1,550mmと高めのスタイルが採用されました。パワーユニットはヴィヴィオ譲りの660㏄直4エンジンです。NAのほか、マイルドチャージ、スーパーチャージャー、DOHCスーパーチャージャーとスポーツカーのスペックを見ているようなラインナップが並びます。
全てのグレードで4輪ストラットの独立式サスペンションを搭載し、走ることにこだわりを持った一台といえるでしょう。2023年の東北660選手権では少数派になってきましたが、車のポテンシャルを最大限に引き出してみたい一台です。




参戦に必要な金額は?


普通車のレースよりは、リーズナブルでお手軽に始めることができる軽自動車のレースですが、実際にはどれくらいのコストがかかるのでしょうか。目安の相場として必要なものを挙げていきます。
- 車両…車両本体はNAでフルノーマルのアルトやエッセなどのNAフルノーマルな車両であれば 約20万~60万円で購入することが可能です。パーツの入手しやすさや経年劣化などを考慮すると、新しいモデルの方が割安になることも考えられるでしょう。
- ロールケージ…取り付方法や種類によっても異なりますが約15万円となっています。


- フルバケットシート…10万円からの相場観です。
- 4点式シートベルト…安価なものならば2万円ほどから購入できます。
- タイヤ…1本5,000円程度(1レースで使い切ることはない)ただしグリップ力が上がると転がり抵抗が増え、パワーが出せない状況もあります。そのためタイヤのバランスを考えて選択する必要があるでしょう。
- ブレーキパッド…約3,000円から(1レースで交換することはない)
- 車高調…約13万円から


廉価グレードの車両を購入すると、タコメーターが装備されていないことが多くなります。NAエンジンで過酷なサーキットを走行する場合、回転数で緻密なシフト選択が必要です。何回転まで回せるか、何回転から何回転までキープすれば速く走れるかといったデータの役割にもなります。


東北660選手権では、エンジンチューンはできません。クラス1のように改造範囲が大きい場合でも、社外パーツを使用することもできないレギュレーションです。ただし電子スロットル車両がクラス3に参加する際には、ECUの書き換えや電子スロットルコントローラーの使用が認められています。


ECUチューニングは、エンジンを制御するコンピューターを書き換えることです。現在の車は、そのほとんどがコンピューター制御されています。そのため燃費性能や環境性能に配慮した設定となっている場合が多く、エンジン性能の全てが発揮されているわけではありません。
そこでECUの書き換えを行い、エンジンパワーを最大限引き出せるようにする方法がECUチューニングです。ただ、やり過ぎると燃焼温度の上昇によってエンジンブローすることもあります。また、レブリミットを上げて高回転を使いすぎてしまい、エンジンそのものの寿命を縮めてしまうケースもあるので注意が必要です。
その他にはドライバーのレーシングスーツやヘルメット、グローブ、シューズなどの購入費用が20万円程度必要となります。
消耗品としては、エンジンとミッションオイルの交換に1万円ほど。後はエントリーフィーです。本線4戦と特別戦がありますが、スポーツランドSUGOで2戦行われ、1戦23,000円なので、23,000円×2=46,000円。エビスサーキットで2戦行われ、1戦20,600円なので、20,600円×2=41,200円となります。46,000円+41,200円=87,200円が必要経費です。
1年目は車両から揃えるためまとまった金額が必要となりますが、2戦目からは車両購入のように大きなお金は必要ではありません。おおよそのレース参戦費用は100万円ほど。高いと考えるかは、個人の考え方次第ですね。
コース攻略法
車種によっても走行の方法は異なりますが、まずはコースをイメージすることが重要です。具体的な走行例をご紹介します。
1. スタート
スタートは焦らず優しいアクセルオンが重要です。緊張が高まるスタート時に避けたいミスはホイルスピンによる出遅。雨天時は更に丁寧なスタートが大切になります。ストレートはかなりきつい登り勾配ですが、途中で平坦になり1コーナーでまた登りです。
2. 1~2コーナー
1コーナー進入時のブレーキタイミングは50mの看板を目安に。荷重移動目的で、減速させることではありません。1コーナーを立ちあがったらコース幅をいっぱいに使ったアウト・インで2コーナー進入時までスピードを維持。2コーナーはアンダーステアが出ないよう減速して立ち上がり、出口でアウトにふくらまないように注意が必要です。
3. 3コーナー
下りながらの左でブラインドになっているため、エキサイティングなコーナーといえるでしょう。姿勢を崩しやすいので注意が必要です。4速全開でスピードを乗せながらコーナーに進入し、コーナー中央くらいのラインで立ち上がることを意識しましょう。
4. 4コーナー(ヘアピン)
入り口は少し登りになっているので、軽めにブレーキングして3速へシフトダウン。奥まで突っ込んでしまうと立ち上がりでロスしてしまうので、早めの減速で立ち上がりを重視したほうが得策です。アンダーの出やすいコーナー形状なので、LSD装着車ならイン側の縁石をなめるように走ると良いでしょう。反対にLSDがなければアウト側から大きく回る方が確実に抜けられます。
5. S字コーナー
緩い登り勾配になっていて、左右に切り返すS字コーナー(シケイン)。ステアリングを切らず、なるべく直線的に抜けることがセオリーです。ここで重要になるのはサスペンション。左右の縁石に乗っても挙動が乱れないような特性だと有利になるかもしれません。
6. レインボー ハイポイント
SUGOで一番標高が高いのがハイポイントで、ここから下りが続きます。ブレーキは踏まずに4速のまま進入し、アウト側までコース幅を使いレインボーコーナーまでアクセル全開で切り込むことがポイント。
7. 馬の背コース
レインボーコーナーを立ち上がりすぐに5速に入れます。馬の背コーナーではスピードが出ているので、減速するにはそれなりに手前からブレーキングが必要。しっかりとしたブレーキングで適正なスピードまで落とすことができれば、50m看板からのブレーキングでも間に合います。
8. SPインからSP アウト
馬の背を出たら4速にシフトアップを行い、SPインでは縁石に乗せるよりは寄せていくイメージで。ここの縁石は高めに作ってあるため、乗せたら挙動を乱すことも多いといわれます。SPアウトでは全開で最終コーナーへ向かうと良いでしょう。
9. 最終コーナー
最終コーナー手前で4速にシフトダウンを行い、アクセル全開で進入。最終コーナーはSUGOでもっともハイスピードなコーナリングを楽しめます。下ってのぼるため恐怖感を感じやすく、慣れるまでは控えめなスピードの方が安心です。しっかりとインをキープした走りがカギ。
スポーツランドSUGOの特徴
山の地形を利用したSUGOは、勾配のきついアップダウンや連続コーナーも多いサーキットです。難しさもありますが、ドライバーとして走るにはエキサイティングなコースでしょう。
2023年SUGO 決勝結果


参考までに2023年スポーツランドSUGOで行われた第3戦のNAクラスの結果をご紹介します。皆さんがどれくらいのタイムで走行しているのかが分かり、参考になるのではないでしょうか。
クラス | ラップ | タイム |
1クラス | 8 | 18‘33.097 |
2クラス | 8 | 19‘08.835 |
3クラス | 8 | 19‘52.517 |
4クラス | 8 | 19‘58.164 |
5クラス | 8 | 20‘01.948 |
まとめ
誰もが気軽にレースを楽しめる東北660選手権。普通自動車免許を所持していれば本格的なサーキットを走れる魅力的なレースイベントです。まずはレースをエンジョイすることから始めてみてはいかがでしょうか。


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