
国土交通省によると、高速道路での逆走は概ね2日に1回の割合で発生し、その数は年間約200件。
長期休みや行楽シーズンには高速道路を利用する方も多くなり、逆走車を見かける可能性も高まります。
今回の記事では高速道路における逆走の発生状況をもとに、その原因や万が一自分が逆走してしまった時、逆走車を見かけた時にはどのように対処するべきかご説明します。
この記事を読んでわかること
- 高速道路における逆走発生状況
- 逆走が発生する理由を故意、過失、認識なしの動機別に説明
- 自分が逆走してしまったとき、逆走車に遭遇したときの対処法
高速道路における逆走の発生状況
前述した通り、高速道路での逆走は年間約200件発生しています。
2018年のデータをもとに、逆走の発生状況において注目すべき点をまとめました。
- ・逆走した運転者の約7割が65歳以上
逆走の多くは65歳以上の高齢運転手が起こしています。
- ・逆走の動機は故意25%、過失38%、認識なし21%(その他16%)
故意:逆走であることを認識した上で走行
過失:逆走であることを認識せずに走行
認識なし:逆走を終えた時点でも、逆走していたという認識ができていない
動機について詳しくは逆走が起こる原因とはで後述します。
- ・逆走の約6割はインターチェンジとジャンクションで発生
逆走の多くは出入り口であるインターチェンジや分岐のあるジャンクションで起こっています。
通り過ぎてしまった出口や行きたかったルートに戻ろうとして逆走するケースです。
また、一般道から高速道路に入る際に出口に侵入してしまうケースもあります。
逆走のニュースがたえませんが、高速道路で逆走をした場合の死亡事故率は通常の事故の15倍〜40倍(年によって変化あり)というデータもあり、高速道路での逆走がいかに危険な行為かが分かります。
逆走が起こる原因とは

一方通行であるはずの高速道路で、なぜ逆走が起こってしまうのでしょうか。
逆走の動機別に説明します。
故意による逆走
故意による逆走は、逆走していることを認識したうえでの走行を指します。
2018年に発生した逆走の内、25%が故意によるものです。
そのほとんどが、「本来のルートへ復帰するための逆走」と言われ、予定していたインターチェンジやジャンクションを通り過ぎてしまったときに無理なUターンをすることで起こっています。
また、逆走を起こす運転手は約7割が65歳以上と前述しましたが、実は故意による逆走はその半数が65歳未満の運転手によるものです。
過失による逆走
過失による逆走は、逆走していることを認識していない走行を指します。
2018年に発生した逆走の内、38%が過失によるものです。
逆走と分からず、不注意で逆走してしまう人が全体で最も多くなっています。
過失による逆走では、進行するべきルートを誤って逆走したという理由が最多。
例えば、一般道から高速道路へ入るときに誤って出口から侵入してしまう、一般道から間違えて高速入り口に入ってしまい、料金所の手前で回転するなどです。
サービスエリアの出入り口を誤って逆走してしまうケースもあります。
認識のない逆走
認識のない逆走は、逆走を終えた時点でも、逆走していたという認識ができていない走行を指します。
通報により、確保されたり事故を起こしたりした時点でも自分が逆走していたという認識がなく、認知症によるものがほとんどです。
認識のない逆走はその9割が65歳以上の運転手によるものです。
もし自分が逆走してしまったら

自分は大丈夫と思っていても、慣れない道でカーナビの案内を勘違いすることや注意が散漫になり、標識を見間違えてしまう可能性があります。
逆走をしてしまう可能性は誰にでもあるのです。
もし、逆走をしてしまったら、逆走をしていることに気付いたら、とるべき対応を説明します。
逆走していることに気付いたら
高速道路を走行中に中央分離帯が自車の左側にある場合、逆走している可能性があります。
逆走していることに気付いたら、ハザードランプを点灯させて近くの路肩や非常駐車帯などに駐車します。
その後、ガードレールの外側など安全な場所に移動してから110番や#9910もしくは非常電話で道路管制センターへ通報してください。
車内に乗ったままの通報は事故に巻き込まれる可能性があり、大変危険です。
逆走を防ぐために
逆走には意識的に逆走する場合と無意識に逆走してしまう場合があります。
それぞれ、逆走を防ぐために運転手ができることを紹介します。
意識的な逆走を防ぐ
逆走は道路交通法違反であり、事故を起こすとさらに重い罰則があります。
何よりも危険なことは、前述した通り高速道路での逆走事故は死亡事故に繋がる可能性が非常に高いということです。
高速道路で故意に逆走する理由で最も多いのが、本来のルートへ復帰するための逆走です。
たとえ、道を間違えてしまったとしても絶対に逆走はNGです。
意識的な逆走を防ぐためには、逆走がいかに危険な行為であるかを知ること、さらに、高速道路で出口や行き先を間違えてしまったときの対処法を知っておくことが重要です。
高速道路で出口や行き先を間違えてしまったときの対処法については、こちらの記事をご覧ください。
無意識の逆走を防ぐ
高速道路では、合流箇所のラバーポール設置や路面の矢印表示、進入禁止看板など逆走を防ぐための対策が施されています。
ドライバーが自分自身で逆走を防ぐためにできることは、その用意された標識や表示をしっかりと確認し、正しい方向を走行することです。
長い運転で疲れが溜まっているときや運転とは別の事を考えていて集中力が欠けてくると、普段は見落とすはずのないものを見落とし、結果的に逆走してしまったということになりかねません。
こまめな休憩を取りながら、運転中は標識など見落としがないよう、運転に集中できるようにしましょう。
逆走車を見かけた時の対処法

逆走をしないように自分が気を付けていても、逆走する他車に遭遇する可能性があります。
その場合どのような行動をするべきなのか、説明します。
走行中の注意点
走行中、逆走車の情報を見聞きした場合は安全確保のため速度の出し過ぎに注意し、前方の車とは車間距離を取りながら走行します。
この時、追い越し車線ではなく走行車線を走るようにしてください。
それは、逆走車は追い越し車線を走行する傾向があるといわれているためです。
左側通行の日本では片側2車線道路を逆走する場合、自然と左側の車線を走行することになり、それが高速道路では追い越し車線にあたります。
逆走車を見かけた場合は慌てず衝突に気を付けながら、注意深く走行し、その後110番もしくは#9910で道路管制センターへ通報します。
通報の仕方
逆走車を見かけた場合、同乗者がいる場合にはすぐに110番をしてもらいます。
同乗者がいない場合は、サービスエリアや最寄りの非常電話から道路管制センターへ連絡を入れる、または料金所のスタッフへ逆走車を見かけた事を伝えてください。
非常電話は受話器を取るだけで管轄の道路管制センターへ繋がるため便利です。
通報することで、逆走車の情報を情報板やハイウェイラジオで発信してもらうことができ、走行中のドライバーへ注意喚起をすることができます。
まとめ

今回の記事では、高速道路で逆走が起こる原因と自分が逆走してしまったとき、逆走している車に遭遇したときの対処法を説明しました。
- ・逆走は概ね2日に1回の割合で起こっている
- ・逆走の約7割は65歳以上の運転手によるもの
- ・高速道路でのUターンや後退による逆走は絶対にNG
- ・自分が逆走してしまった時や逆走車を見かけたら安全な場所から通報
自分自身が逆走をしないようにすることは当然ですが、気付かず逆走してしまったときや逆走車を見かけたときには、焦らず落ち着いた行動を取ることが大切です。
どのように対処すれば良いか、事前に知識を身につけて万が一に備えましょう。

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