
発売時から注目を集めている日産の軽自動車規格の電気自動車、サクラはこれまで販売されてきた電気自動車と比較して本体価格が安く、補助金制度も合わせて、手の届きやすい電気自動車です。
電気自動車の維持費はガソリン車と比較して安いと言われることも多く、電気自動車の購入を検討されている方にとっては気になるポイントではないでしょうか。
今回の記事では、実際に走行コストや税金、保険など電気自動車は本当に安いのか、サクラを例に軽自動車規格の電気自動車の維持費をご説明します。
この記事を読んでわかること
- 軽自動車規格の電気自動車やサクラの特徴
- 自宅と外出先で充電する場合に必要な設備や方法
- サクラを購入する際に申請可能な補助金の種類と金額
- 税金などの固定の維持費とメンテナンスなどの変動する維持費
電気自動車とは
電気自動車とは
電気自動車とはガソリンではなく、電気をエネルギー源として走行する自動車です。
走行時に二酸化炭素を排出しないため、環境に優しいクルマとして世界から注目されています。
2021年のCOP26では販売される全ての新車を、主要市場で2035年までに、世界全体では2040年までに電気自動車などのゼロエミッション車とすることを目指す共同声明が発表されました。
軽自動車規格の電気自動車
電気自動車は購入時の金額が高額、走行可能距離が短いなどのデメリットがあります。
しかし、軽自動車は車の性質上、電気自動車に向いていると言われている理由が3つあります。
・普通車の電気自動車と比較して車両本体価格が安い
・セカンドカーとしての需要が多く、近距離運転が多い
・軽自動車のガソリン車と比較して静かでパワーのある走りが可能
電気自動車のデメリットをカバーしつつ、軽自動車のデメリットも補えるため、親和性が高く注目されています。
日産サクラ
出典:日産自動車株式会社
サクラは2022年に登場した、軽自動車規格の電気自動車です。
デイズで高く評価されている広い車内空間と、リーフの開発で蓄積した技術で、快適かつ安全に毎日の運転を楽しむことができる設計が魅力。
2022年5月に発表されてからわずか2ヵ月で2万3000台を受注し、電気自動車としては異例のヒットと言われています。
軽自動車ならではの車両重量の軽さや運転のしやすさと電気自動車ならではの力強い加速や滑らかな走り、高い静粛性を兼ね備えたモデルです。
納期は6か月~10か月ほどです。
納期の長期化により、一時受注を停止していましたが、2023年2月現在、受注を再開しています。
充電に必要な設備
電気自動車の動力はガソリンではなく電気であるため、クルマへ充電を行う必要があります。
充電場所は大きく分けると自宅に専用の充電設備を設けて充電する方法と、外出先の充電設備を利用する方法があります。
自宅充電用の設備
自宅で充電する場合には充電設備が必要です。
普通充電コンセント
屋外コンセント設置に約4〜12万円、別途コントロールボックス付の充電ケーブル(100V用58,960円または200V用56,100円)が必要です。
また、電気工事が必要になりますので、工事については販売店へ相談してください。
V2H
Vehicle to Homeの略で、電気自動車のバッテリーに蓄えた電気を家で使う仕組みのことを指します。
V2Hは専用機器の設置が必要で、50〜90万円ほどが必要な費用の目安です。
【自宅充電設備】
設備 | 充電能力 | 満充電時間(目安) | 充電ポート |
---|---|---|---|
普通充電コンセント | 3kW | 8時間 | 普通充電ポート |
V2H | 6kW | 4時間 | 急速充電ポート |
外出先でも充電可能
充電器設置数は2023年6月時点で約30,000基です。
高速道路のサービスエリアや日産販売店、コンビニエンスストア、道の駅など、日本全国の電気自動車用充電スタンドが増えています。
充電サービスの日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)に加入すると、専用のZESP3カード1枚で日本全国に普及したeMP充電スポットを利用できます。
eMP充電スポットとは、高速道路のサービスエリアや日産販売店、コンビニエンスストア、道の駅などに設置された株式会社e-Mobility Powerが提供する充電サービスです。
プランも無料充電付きの3つの「プレミアム」と、都度課金制の「シンプル」があり、自分の使い方に合わせて選択可能です。
補助金
電気自動車は購入時に補助金が申請できます。
国の補助金
2023年6月現在、国の補助金は「CEV補助金」1種類です。
サクラの場合、2023年4月以降に新車登録された車両に対して補助金申請をする場合には55万円が上限となっています。
2023年4月1日~31日までの登録は5月31日まで、それ以降は登録から1ヵ月以内に申請する必要があります。
補助金に関する詳細は次世代自動車振興センターのWEBサイトをご確認ください。
自治体の補助金
自治体の補助金は、自治体によって内容や補助金額が異なるため注意してください。
東京都の場合は、電気自動車を購入すると補助金は55万円~70万円です。
補助金に関する詳細は次世代自動車振興センターのWEBサイトをご確認ください。
また、お住まいの各自治体に確認をしてください。
固定の維持費
税金
税金は以下の通りです。
・軽自動車税
・自動車重量税
・環境性能割
サクラに必要な税金額を説明します。
軽自動車税
- 1年目:0円
- 2年目:2,700円
- 3年目以降:10,800円
軽自動車の場合、通常であれば毎年10,800円の自動車税がかかります。
サクラの場合、1年目は免税、2年目はグリーン化特例適用で2,700円となり、3年目から通常の税金となります。
※グリーン化特例は令和3年4月1日~令和5年3月31日に新車登録を行ったクルマが対象です。今後の改正により内容が異なります。
→グリーン化特例の適用は令和8年3月31日までに新車登録を行ったクルマが対象となりました。
自動車重量税
- 初回車検:0円
- 2回目以降:5,000円
サクラの場合、新車登録から3年後の初回車検はエコカー減税が適用されるため免税、2回目の車検から5,000円の重量税が必要です。
※エコカー減税は令和3年5月1日〜令和5年4月30日に新車登録を行ったクルマが対象でしたが、期限を3年間延長することが決まっています。
環境性能割
- 購入時:0円
購入時にかかる環境性能割は0円(非課税)です。
サクラは最も優遇された非課税。
環境性能割とは、クルマを購入した方に対して課税される税金のことです。
税率は、環境負荷軽減(燃費基準値達成度など)に応じて、非課税、1%、2%、3%の4段階に分かれています。
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)
サクラを含む軽自動車の場合
- 25か月:20,310円
自賠責保険加入は強制で、加入していないと公道上を車で走る事は許されていません。
軽自動車の場合、保険料が一律であり、次の車検分まで車検時に一括で支払うのが一般的です。
変動する維持費
充電代
サクラが1kwhの電力で走行できる距離はカタログ数値で約8.06㎞です。
以下の条件で必要な電気代を算出します。
・自宅での普通充電
・1年間で10,000㎞走行
・電気代は27円/kWh(2023年3月時点平均価格)
また、日産のガソリン車であるデイズについても同じ条件でガソリン代を算出します。
デイズのカタログ燃費は23.3km/Lです。
・1年間で10,000㎞走行
・ガソリン代は162円/L(2023年3月時点平均価格)
サクラ | デイズ | |
---|---|---|
カタログ電費/燃費 | 8.06km/kWh | 23.3km/L |
電気代/ガソリン代 | 27円/kWh | 162円/L |
10,000㎞走行する ために必要な費用 | 約33,498円 | 約69,527円 |
サクラの電気代とデイズのガソリン代を比較すると2倍以上の差でサクラの方が安く抑えられるという結果です。
電気代やガソリン代、走行の仕方によっても数値は変わりますので1つの目安としてください。
車検を含むメンテナンス
車検の点検/整備費用はガソリン車の軽自動車と変わりありません。
交換部品などない場合は約15,000円〜20,000円が相場と言われています。
また、車検の点検/整備費用はどこで車検を行うかによってもかなり左右されるため、比較検討をおすすめします。
サクラもガソリン車と同じようにメンテナンス代や消耗品代はかかりますが、エンジンがないためエンジンオイルは不要、エンジンブレーキの代わりにモーターを使って減速する回生ブレーキを利用するのでブレーキパッドの減りも少ないなど、費用を抑えることが可能です。
任意保険料
任意保険は先述した自賠責保険とは異なり、加入するかどうかを自分で選ぶことができます。
しかし、8割〜9割の方が任意保険に加入しており、いざという時の備えとして必要な保険です。
軽自動車の平均的な保険料は年間約50,000円です。
車種やグレードによって保険料は異なりますが、保険会社によってはエコカー割引などで保険料が数パーセント安くなる場合もあります。
まとめ

今回、サクラを購入した後に必要な維持費をご説明しました。
サクラを購入した場合、目に見えて維持費を抑えることができる点は走行コストと言われる、充電代やメンテナンス、消耗品です。
維持費を抑えられる一方で、電気自動車はガソリン車と比較して、車両本体価格や自宅への充電機器の設置などが高くなるという弱点もあります。
サクラは軽自動車の電気自動車なので普通車の電気自動車と比較すると車両本体価格を抑えることができ、国や地方自治体の補助金もあるため、上手く使えば費用をさらに抑えることができます。
今回の記事で、サクラが是非気になった方は実物を見てみてください。
また、サクラについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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