
現在の軽自動車は、利便性の高いCVT(無段変速機)やAT(オートマチックトランスミッション)の採用がほとんどで、MT(マニュアルトランスミッション)車は、日本の新車販売全体において極めて希少な存在となっています。
運転の楽しさを体感できる車として、「操作性」を重視する層からの支持が根強いMT車。
中でも、人気のNシリーズのMT車モデルのN-ONE RSは、軽自動車に実用性だけでなく趣味性や上質さも求めるユーザーに一目置かれている車です。
その魅力はどこにあるのでしょうか?
今回はN-ONE RSの魅力を掘り下げ、走行性能から機能性、デザインや価格に至るまで人気の秘密を解説します。

目次
N-ONE RSとは


N-ONEは、ホンダNシリーズの中で、「デザイン性」と「走りの楽しさ」を追求した、個性派プレミアムモデルとして2012年に登場しました。
2020年にフルモデルチェンジがあり、現行モデルは2代目になります。
軽自動車のカテゴリーでは「軽トールワゴン」に分類されますが、N-BOXのようなスーパーハイトワゴンに比べて全高が低く、丸目のヘッドライトと台形シルエットが特徴です。
流行に左右されず、長く愛される「レトロモダンなデザイン」をコンセプトとして、安定感のある走りの他にデザイン性を重視しており、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーでは「K CAR オブ・ザ・イヤー(総合的に優れた軽自動車)」を受賞しました。
愛くるしいデザインと使い勝手の良さに加え、優れた静粛性や動力性能の高さから街乗りから長距離まで乗りこなせる1台として幅広い層に支持されています。


N-ONE RSの基本情報


N-ONEの「RS」は、「Road Sailing(ロードセーリング)」を意味しており、「水面を滑るように、ゆったりと気持ちよくハイウェイを走る」という想いが込められた、ホンダ独自のグレード名です。
トランスミッションは、6MTとCVT(FFのみ)。
軽自動車では珍しくターボエンジンと6速MTの組み合わせが設定され、上質な乗り味と走る喜びを追求したモデルとして運転好きから高く評価されています。
■N-ONE RSのサイズ
全長/全幅/全高(m) | 3.395/1.475/1.545 |
最小回転半径(m) | 4.8 |
室内寸:長さ/幅/高さ (m) | 2.050/1.300/1.195 |
乗車定員 | 4名 |
車両重量(kg) | FF〈CVT〉:860/FF〈6MT〉:840 |
トランスミッションの構造により、車両体重がわずかに異なっています。
20kgの差は体感しにくいレベルですが、車重が軽いほど、タイヤやサスペンションへの負担が減り、慣性モーメントも小さくなるため、軽快感が増します。
■N-ONE RSのスペック
車両本体価格 | 2,160,400円 |
エンジン | ターボ |
トランスミッション | 6MT/CVT(FFのみ) |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 47[64]/6,000 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 104[10.6]/2,600 |
燃料消費率 WLTCモード(km/L) | FF〈CVT〉:25.6km/L FF〈6MT〉:22.0km/L |
最小回転半径(m) | FF〈CVT/6MT〉:4.8 |
エンジンは、軽自動車の自主規制上限である64PSを発揮するターボエンジンを搭載し、低回転域から力強いトルクを発生することで、街乗りから高速運転までスムーズかつ爽快な加速を実現しています。
トランスミッションに、6速MT仕様が設定されていることが大きな特徴です。
軽自動車として唯一のFFターボ×6速MTの組み合わせは、エンジンのポテンシャルを最大限に引き出した「俊敏な走り」と「操縦する喜び」を味わえる一台として、運転好きなユーザーから高く評価されています。
燃費性能は、軽自動車トップクラスのNAエンジン車で30km/L近くを記録するため、それらと比較すると劣りますが、高性能なターボエンジン、15インチの大径タイヤ、専用サスペンションなど、燃費性能には不利な「走りのための装備」を多く採用しているにもかかわらず、WLTCモードで22.0km/Lを確保している点は、「走りの楽しさ」との両立が図られた結果として「優秀」と言えるでしょう。
【RSの解釈はメーカーによって異なる?】
「RS」とメーカー文字は、ほぼ全てのメーカーで「スポーティー」「高性能」「レースや競技の血統」といったイメージは共通していますが、その解釈はメーカーの文化や戦略によって異なっています。
・トヨタ:Runabout Sports (ランナバウト・スポーツ)…「キビキビと走り回れるスポーツ」という意味。
・スバル:Road Sport (ロード・スポーツ)…公道でのスポーツ走行を意識したモデルに用いられています。
・三菱:Rally Sport (ラリー・スポーツ)…文字通りラリー競技参戦を目的としたベース車両を意味しています。


N-ONE RSの走行性能


可愛らしい見た目とは裏腹に、日常の運転でも「ドライバーが意のままに操り、走る喜びを感じる」ことを最優先に開発された、ホンダのこだわりが凝縮された軽自動車です。
走行サポート
ブレーキを踏んだ力に応じてエンジンブレーキを効かせる機能を搭載するなど、急な下り坂でスピードが上がる不安を軽減します。
少ないステアリング操作でコーナリングをサポートする「アジャイルハンドリングアシスト」や、軽量ながら強靭なボディー構造、車体の傾きを抑えるスタビライザーなど、きついカーブでも、軽快・快適・安定したドライブが楽しめる装備が採用されています。
運転のしやすさ
N-ONEの特徴的なヘッドライトの出っ張りは、コーナーの目印としても活躍。
車両感覚がつかみやすく狭い路地や駐車場などでもラクに取り回しできます。
停車状態とアイドリングストップが続く「オートブレーキホールド機能」や指先だけで操作できる「電子制御パーキングブレーキ」など、毎日の運転に快適をもたらしてくれるさりげない装備が充実しています。
N-ONE RSのエクステリアデザイン
RSのデザインの魅力は、N-ONEが持つ「タイムレスな(時代を超えて愛される)可愛らしさ」と、RSグレード独自の「走りを予感させる精悍なスポーティーさ」が見事に融合している点にあります。
精悍なフロントフェイス


RSのフロントグリルはメッシュデザインが採用され、モール類には上級感を演出するダーククロームメッキやブラックのアクセントが施されています。
丸目の愛らしさを保ちつつ、昼間の視認性を高めるためのLEDデイタイムランニングランプなど先進的な機能を搭載し、表情を引き締めています。
スポーティーなディテール


N-ONE RSは「足元から引き締め、走りの良さを予感させる」ベルリナブラックの15インチアルミホイールを採用。
車体後方の空気抵抗を減らすテールゲートは、大型カラードを採用。
スポイラーが大きく張り出していることで、力強さや躍動感が増し、ノーマル車とは一線を画す「特別な車」という印象を与え、スポーティーな迫力を加えながらも高速走行時の安定性向上にも寄与します。




N-ONE RSのインテリアデザイン
RSのインテリアは黒を基調とした専用装備となり「走りの質と見た目のこだわり」にコストをかけた「特別なグレード」と言えます。
ドライバーが「操る喜び」を感じられるよう、視覚的な刺激と高い機能性を追求しています。
アクセントカラー光る専用パーツ


室内全体をブラックで統一しつつ、シートのステッチやメーターの差し色などにRSのイメージカラーであるオレンジが効果的に使われています。
RS専用の本革巻ステアリングホイールや6MT車の本革巻MTシフトノブには、ディンプルレザーを使用。
その他、RSにはGメーターとブースト計が搭載されており、旋回時に発生するGやターボのブースト圧をリアルタイムで表示し、スポーツ心くすぐる演出となっています。
使い勝手の良い荷室と簡単シートアレンジ


日々の使い勝手を考え、大人4人が乗車しても十分な荷室スペースを確保しています。
荷室には床下収納があり、2段で使い分け可能です。
さらに、長い荷物や大きい荷物の場合はリアシートのレバーを操作するだけで収納スペースを確保できます。
後席の座面をはね上げれば、高さのある荷物も積載可能。
荷物に合わせた収納ができる、広くて使い勝手のいい荷室です。
N-ONE RSのボディカラー


N-ONE RSのボディカラーは、ブラックルーフとのツートンカラーが特徴です。
RS専用のツートンカラーには、走りの楽しさを象徴するような、個性的で目立つ色が用意されています。
・オータムイエロー・パール&ブラック
遊び心と個性が際立つポップな色。 N-ONEのデザインを最も楽しんでいる印象を与え、街中でひときわ目立つ、温かみのあるカラーです。(有料色)
・フレームレッド&ブラック
情熱的で鮮烈なスポーツカラー。 N-ONEの愛嬌あるデザインを活かしつつ、走りの熱意を強く主張する、視認性の高い組み合わせです。(有料色)
・ブリティッシュグリーン・パール&ブラック
上質でクラシカルな大人色。 深みのある重厚なグリーンを黒ルーフで引き締め、レトロな雰囲気の中に落ち着いたスポーティーさを表現します。(有料色)
・プラチナホワイト・パール&ブラック
最も人気が高く、スポーティーな定番色。 白いボディと黒いルーフのコントラストが際立ち、クリーンさとアグレッシブさを両立します。(有料色)
・メテオロイドグレー・メタリック&ブラック
モダンで洗練された印象。 流星体をイメージした力強いダークグレーと黒ルーフの組み合わせで、非常にスタイリッシュで精悍な雰囲気を醸し出します。(有料色)
・クリスタルブラック・パール
唯一のモノトーンカラー。 漆黒にパールが煌めき、最も精悍で引き締まった、シックなスポーツ感を強調します。RS専用のダーク加飾が自然に溶け込みます。
シンプルなN-ONEのデザインを崩さず、色の力と専用パーツで「走りの高性能モデル」であることを明確に表現しているのが、RSのカラーリングの最大の魅力です。
N-ONE RSの安全性能
N-ONE RSの安全性能は、軽自動車のトップクラスに位置し、「先進の予防安全」と「高い衝突安全性」を両立しているのが特徴です。
特に、MT車にACCとLKASが搭載されている点は、他車にはない最大の強みです。
予防安全性能(Honda SENSING)


N-ONEは、全タイプに先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を標準装備しており、自動車安全性能評価(JNCAP)の予防安全性能評価では「Aランク」(最高評価に近い)を獲得しています。
・衝突回避/衝突軽減ブレーキ(CMBS)
車両や昼夜の歩行者、自転車まで検知し、衝突回避・被害軽減を支援。
・運転支援/渋滞追従機能付ACC & 車線維持支援システム(LKAS)
MT軽自動車で初めて採用された機能。高速道路での運転負荷を大幅に軽減します。
・操作ミス対策/誤発進抑制機能(前方・後方)
ペダルの踏み間違いによる急発進を抑制し、駐車場での事故防止に貢献します。
・視界確保/オートハイビーム
先行車や対向車を検知し、ハイ/ロービームを自動で切り替え。
衝突安全性能(万が一への備え)


ホンダ独自の安全技術「G-CON」を採用した高強度なボディー構造で、衝突時の衝撃(G)を効果的にコントロール。
さらに、運転席・助手席のエアバッグに加え、側面衝突時の乗員保護性能を高めるサイドエアバッグとサイドカーテンエアバッグシステムを全タイプに標準装備しています。
強固なボディー構造とエアバッグシステムにより、万が一の際の乗員保護性能も高いレベルにあり、自動車安全性能評価(JNCAP)の衝突安全性能評価では「Bランク」(4つ星相当)を獲得し、高い乗員保護性能が認められています。


N-ONE e:の登場


N-ONEの新しいモデルN-ONE e:が2025年9月に登場しました。
ガソリン車のN-ONEが持つ「タイムレスなデザイン」を継承しつつ、EVならではの走行性能と高い実用性を備えた、日常のパートナーとなることを目指した軽EVです。
圧倒的な航続距離と安心感


出典:本田技研工業株式会社
最大の特徴は「軽EVトップクラスの航続距離」になります。
競合車種(例: 日産サクラの180km)を大きく上回り、大容量バッテリーを搭載することで、電欠の不安を軽減し日常使いでの安心感を提供します。
一充電走行距離 | 295 km (WLTCモード) |
バッテリー総電力量 | 29.6 kWh |
充電性能 | 普通充電:約4.5時間 急速充電:約30分(0%→80%) |
用意されているグレード
■N-ONE e: G (スタンダード)


車両本体価格:2,699,400円
シンプルさを極めたスタンダードグレードです。
珍しいナビレス仕様が特徴で、急速充電はオプションで選択可能です。
ディスプレイなしですっきりした内装を好む方に最適。
■N-ONE e: L (上級グレード)


車両本体価格:3,198,800円
快適装備とコネクティビティを充実させた上級グレードです。
急速充電が標準装備されるため、外出先での充電が必須の場合に安心です。
9インチディスプレイや本革巻ステアリングなど、装備も充実しています。
EVを活用した暮らしの機能


N-ONE e:の大きなメリットである「大容量バッテリー」は、単に車を走らせるためだけでなく「走る蓄電池」としても活用可能です。
N-ONE e:のコンセプトに「日常のパートナー」と「EVならではの便利で暮らしに役立つ機能」を掲げており、V2H(外部給電機能)に対応しています。
充電待機時間や最大電流量の設定、出発時間に合わせて車内温度を調整するタイマー機能など、スマートフォン連携で利便性も高く、「軽EVとしての航続距離の不安を払拭し、日々の生活を豊かにする」ことを実現したモデルと言えます。
軽スポーツ/趣味車の人気モデル
最後に、N-ONE RSのような軽スポーツや趣味の車として人気のMTモデルをご紹介します。
ダイハツ コペン


コペンは、軽自動車ならではの維持費の安さ、小回りの良さ、運転のしやすさといった日常の実用性と、「オープンカー」の特別感と楽しさを両立させた車です。
誰もが気軽に非日常を楽しめる、電動開閉式ルーフを備えた軽オープンスポーツカーです。


スズキ ジムニー


ジムニーは、軽自動車の規格に収まった、世界に通用する本格的なオフロード四輪駆動車(クロスカントリー車)です。
単なる移動手段ではなく、「どこへでも行ける」という高い信頼性と、趣味性を楽しむための「プロの道具」のような存在として、国内外で熱狂的なファンに愛されています。


N-ONE RSの魅力 まとめ


今回は、人気のNシリーズのN-ONE RSに注目し、その魅力について詳しく紹介してきました。
日本の新車市場全体におけるMT車の割合は、AT/CVT車が約99%に対して、MT車はわずか1%〜1.4%程度です。
新車市場全体ではMT車はわずかですが、N-ONE RSのような「走りの楽しさ」を追求したモデルでは、MTの需要は格段に高くなります。
ホンダもRSグレード全体のMT比率を2割弱と想定していましたが、実際には3割以上に達しているという発表しており、中古車市場におけるRSの在庫は、その約7割近くが6速MT仕様のようです。
このデータからも、N-ONE RSは一般的な軽自動車とは異なり、MTモデルが非常に高い人気を集めている、稀有な車種と言えるでしょう。
N-ONE e:モデルの登場で、軽自動車が単なる「手頃な移動手段」から、より快適で安全な「生活のパートナー」へと進化していることを示しており、今後の展開に期待が膨らみます。
しかし、N-ONE RSを初めとする「スポーツモデル」「コンパクトカー」「本格的なSUV・商用車」など耐久性やコスト、操作性を求める層には、変わらずMT車が選ばれるのかもしれません。
軽自動車選びにお悩みの方は、一度レディバグへご来店されてはいかがでしょうか。
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