
ダイハツ ハイゼットカーゴは、軽自動車の中でもトップクラスの広さを誇るワンボックスタイプの軽商用車で、軽バンと呼ばれている人気の車です。
ハイゼットが誕生してから60年以上にわたり、農業や建築業、サービス業など、幅広い分野で日本の「働く」に寄り添ってきた車です。
今回は、働く車の代名詞「ハイゼットカーゴ」の中から、上級グレードの「クルーズ」に注目し、エントリーグレードの「スペシャル」と比較しながら、仕事での使い勝手とプライベートの快適性の両面から詳しくご紹介します。
目次
ハイゼットカーゴとは

ダイハツの軽商用車の歴史は古く、荷物を運ぶための実用性・耐久性を最優先した「ハイゼット(ハイゼットバン)」が1960年に登場しました。
これが、現在のハイゼットカーゴのルーツになります。
1999年に軽トラックと軽バンにモデルが別れ、それぞれ「ハイゼットトラック」「ハイゼットカーゴ」になります。
モデルを分けた際に、快適装備やメッキ加飾などが施された豪華仕様軽バンとして、上級グレードの「クルーズ」が設定されました。
現行車は、「ハイゼット」としては11代目となりますが、1999年に独立したプラットフォームとなった9代目を「ハイゼットカーゴ」の初代とするならば、3代目モデルにあたります。

クルーズ/クルーズターボの基本情報

ハイゼットカーゴは、商用車でありながら燃費効率を優先したFR用「CVT」と、車両制御の向上が図れる「5MT」の2種類のミッション設定があります。
多くの商用車が軽量で伝達効率に優れるMTを採用している中、ハイゼットカーゴは軽自動車初のFR用CVTを採用。
このFR用CVTを採用することにより、燃費が約17%向上した他、力強い発進性能、長時間の運転も快適で疲れにくい静粛性が実現するなどあらゆる走行性能が向上されました。
上級グレードの「クルーズ」、ターボエンジンを搭載したグレードの「クルーズターボ」を詳しく紹介しましょう。
■クルーズ/クルーズターボのサイズ
| 全長/全幅/全高(m) | 3.395/1.475/1.890 | |
| 最小回転半径(m) | 4.2 | |
| 荷室寸:長さ/幅/高さ (m) | 1.820/1.300/1.195〈2名乗車時〉 1.005/1.300/1.195〈4名乗車時〉 | |
| 乗車定員 | 最大4名 | |
| 車両重量(kg) | 5MT | クルーズ:1,360〈2名乗車時〉、1,370〈4名乗車時〉 |
| CVT | クルーズ:1,390〈2名乗車時〉、1,400〈4名乗車時〉 クルーズターボ:1,410〈2名乗車時〉、1,420〈4名乗車時〉 | |
まず目を引くのが、助手席と後席をすべて倒した際の室内長2,650 mm。
これは、軽バンのライバル車と比較してもトップクラスの長さであり、ハイゼットカーゴの特徴である積載量を実現しています。
トランスミッションの構造により、車両体重がCVTと5MTでわずかに異なっていますが、20kg前後の差は体感しにくいレベルです。
車重が軽いほどタイヤやサスペンションへの負担が減り、慣性モーメントも小さくなるため軽快感が増しますが、ターボエンジンが搭載されることのメリットは軽量化のメリットを補って余りある魅力があります。
■クルーズ/クルーズターボのスペック
| クルーズ | クルーズターボ | ||
| 車両本体価格 | 2WD | 1,397,000円〈CVT〉 1,298,000円〈5MT〉 | 1,529,000円〈CVT〉 |
| 4WD | 1,551,000円〈CVT〉 1,452,000円〈5MT〉 | 1,683,000円〈CVT〉 | |
| エンジン | NA(自然吸気)エンジン | ターボエンジン | |
| トランスミッション | CVT/5MT | CVT | |
| 最高出力(kW[PS]/rpm) | 39[53]/7,200〈CVT〉 34[46]/5,700〈5MT〉 | 47[64]/5,700〈CVT〉 | |
| 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 60[6.1]/4,000 | 91[9.3]/2,800 | |
| 燃料消費率 WLTCモード(km/L) | 20.5km/L〈CVT〉 18.0km/L〈6MT〉 | 19.7km/L〈CVT〉 | |
| 最小回転半径(m) | 4.2 | ||
クルーズとクルーズターボの違いは、単純にエンジンの仕様だけではなく、トランスミッションの設定にも違いがあることが分かります。
これは、ダイハツが新型ハイゼットカーゴにおいて、ターボエンジン車(クルーズターボ)をレジャー用途や長距離移動を重視する上級ユーザー向けに位置づけているためで、イージードライブが可能なCVT(無段変速機)を採用しています。
また、注目したいのが最小回転半径「4.2m」。
軽バンの最小回転半径は、一般的に4.5m程度となる車種が多い中で、現行ハイゼットカーゴの4.2mという数値は、軽バンの中でもトップクラスの小回り性能を意味します。
特に狭い現場や駐車場で、頻繁に利用する商用車として大きなメリットです。

ハイゼットカーゴ「クルーズ」グレードの魅力
「クルーズ」は、単なる荷物運搬用の商用車(軽バン)としてだけでなく、普段使いや長距離移動、趣味などにも快適に使えるように装備を充実させた上級グレードです。
レジャーや趣味のベース車両としても人気が高まっており、この「レジャーバン」としての視点から、需要に応えた装備を備えた車と言えます。
ハイゼットカーゴの「クルーズ」グレードの主な魅力を、仕事での使い勝手とプライベートの快適性の両面から詳しく紹介しましょう。
快適装備・利便性の向上


「デラックス」や「スペシャル」グレードにはない、日常での使い勝手を向上させる装備が満載です。
■キーレスプッシュスタート&スマートキー
キーをポケットやバッグに入れたままで、ドアの施錠・解錠、エンジンの始動が可能になるので、荷物で両手がふさがっている時などに非常に便利です。
■大型LED荷室灯
荷室(ラゲッジスペース)を明るく照らすLEDランプが標準装備されており、夜間の荷物の積み下ろし作業を強力にサポートします。
■撥水加工フルファブリックシート
シート表皮に撥水加工が施されており、水や汚れが染み込みにくく、仕事やアウトドアで汚れてもサッと拭き取れて清潔に保ちやすいです。
■左右分割式の後席シート(リヤシート)
後席が左右独立して倒せるため、片側だけを倒して荷物を積み、もう片側に人を乗せるといった柔軟な使い方が可能です。
ヘッドレストも付いて、後席の乗り心地も向上します。


デザイン・質感の向上


軽バンと言えば、ホワイトやシルバーなどのいかにも商用車といったイメージの色味が多かったのですが、ハイゼットカーゴは、オレンジ色やミント色など豊富なカラーバリエーションが展開されています。
クルーズは、フロントバンパーの一部やドアミラーなどが、ボディと同色になります。
無塗装部分が減ることで、商用車感が薄れたスタイリッシュな印象です。
また、リヤクォーターやバックドアの窓がスモークドガラスになったことで、後方からのプライバシー保護や、直射日光の軽減に役立ち、より乗用車に近い見た目になります。
「クルーズターボ」での圧倒的な走行性能


「クルーズ」グレードの上には、唯一ターボエンジンを搭載した「クルーズターボ」がラインナップされています。
ターボチャージャーの過給により、ノンターボ(NA)モデルよりも加速性能が大幅に向上し、高速道路の合流や登坂路、重い荷物を積んだ際のゆとりある走行など、長距離移動や高速道路を使う機会が多い方には大きな魅力です。




ハイゼットカーゴの安全性能

ハイゼットカーゴに搭載されている、ダイハツの先進技術「スマートアシスト」(予防安全機能)をご紹介しましょう。
・衝突警報機能(対車両・対歩行者[昼夜])
・衝突回避支援ブレーキ機能(対車両・対歩行者[昼夜])
・ふらつき警報
・路側逸脱警報機能
・車線逸脱警報機能
・車線逸脱抑制制御機能
・ブレーキ制御付誤発進抑制機能 (前方・後方)
・先行車発進お知らせ機能
・標識認識機能 (進入禁止/最高速度※2/一時停止)
・AHB (オートハイビーム)
・ADB (アダプティブドライビングビーム)
・サイドビューランプ
・コーナーセンサー (フロント2個/リヤ4個)
その他、新型ハイゼットカーゴは、車両に搭載した「ステレオカメラ」が周囲の状況を認識し、ドライバーの運転をサポートし、さらに安全性能が強化されています。
ダイハツの軽商用車


レジャー・趣味用途に使われるダイハツの軽商用車は、「ハイゼットカーゴ」の他に「アトレー」があります。
アトレーも、もとを辿ればハイゼットカーゴと同様に「ハイゼット(ハイゼットバン)」となり、商用(仕事)のハイセットカーゴと乗用(プライベート・レジャー)のアトレーとしてそれぞれ進化しました。
しかし、5ナンバーの乗用車として進化してきたアトレーも、2021年のフルモデルチェンジで4ナンバーの商用車モデルに生まれ変わっています。
では、ハイゼットカーゴに快適性備えた「クルーズ」と、乗用車から商用車に生まれ変わった「アトレー」との違いは何なのでしょうか?
この2台の新型モデルの違いを比較してみましょう。
| ハイゼットカーゴ クルーズ/ターボ | アトレー | |
| ナンバー分類 | 4ナンバー(商用) | 4ナンバー(商用) |
| 開発コンセプト | 仕事・荷室が最優先 | レジャー・快適性が最優先 |
| エンジン | NAまたはターボ | 全車ターボエンジン |
| 荷室の作り | 最大限の積載量と荷室長を優先 | 快適性(遮音、内装)を優先しつつ、フラットさを確保。 |
| 荷室長 | 約 1,820 mm | 約 1,785 mm |
| フラット化 | 荷室と後席部分で段差はほとんどない。 シートの裏側が剥き出し。 | 段差はほとんどないが、荷室長がわずかに短い。 内装材に守られている。 |
| 遮音・静粛性 | シンプルな内張り。 遮音対策は商用車レベル。 | フル内装化。 静粛性が高い。 |
| シート構造 | 簡易的な分割シート。 座面は薄め。 | 厚みのあるシート。 リクライニング機能付き。 |
| 床下 | 積載性優先のため、床面がタフな作り。 | 遮音材などのロードノイズ対策がされている。 |
| 価格帯 | 1,298,000万円~ | 1,639,000円~ |
それぞれの違いについて注目するポイントは「用途の優先順位」と「価格帯」でしょう。
どちらも、荷室がほぼ完全にフラット化するため、車中泊などに適した床面が実現します。
しかし、ハイゼットカーゴ「クルーズ」グレードの快適性は、エントリーグレードと比べると大幅に向上していますが、あくまで「仕事の道具(商用車)」としての基本設計・構造に快適な装備を追加したグレードで、アトレーは「乗用・レジャー(乗用車)」の基本構造から手を加えた車となるため「用途の優先順位」により快適性に違いが生じます。
一方、「価格帯」で比べると30万円前後の価格差になります。
商用車として最大限の積載量と荷室長を優先にしたクルーズは、シンプルな内装と低価格からカスタムのベース車としても優れているため、維持費を安く抑えたいレジャー層や、普段使いもする商用ユーザーに選ばれているのです。


商用車をカスタマイズする際の注意点
前項で、クルーズは「カスタムのベース車としても優れている」と紹介しましたが、カスタマイズする際に注意しておきたいポイントをご紹介します。
特に「構造変更」や「積載性」に関わる点に注意が必要です。
タイヤ・ホイールの交換には注意が必要

ハイゼットカーゴのように荷物をたくさん載せられる商用車は、タイヤにも高い耐荷重が求められているので、小型トラック用タイヤである「LTタイヤ」を装着するのが前提になっています。
現在は法改正により、乗用車用のタイヤの装着も合法となりましたが、軽バン・軽トラックに乗用車用のタイヤを履かせたり、サイズの変更を考えたりしている人は、あらかじめ地元の軽自動車検査協会などにそのタイヤ・ホイールで車検に通るかどうか問い合わせておくことをおすすめします。
ベッドキットや棚の固定


荷室に自作または市販のベッドキットや棚を固定(ボルト留めなど)する場合、それらが恒久的な構造物と見なされると、「最大積載量」の減少を伴う「構造変更申請」が必要になる場合があります。
工具なしで簡単に取り外しができるように設計し、「積載物」として扱うことが一般的です。
床張り(フロアパネル)


荷室の床に、防水性や清掃性を高めるためのフロアパネル(木材やクッションフロア)を敷くカスタマイズは非常に人気がありますが、これも固定方法によっては構造変更の対象になる可能性があります。
こちらも、基本的に両面テープやマジックテープでの簡易固定に留め、ボルト固定は避けましょう。
ライバル車の動向
車中泊は一過性の「ブーム」ではなく、「新しいライフスタイル」として定着し、現在も継続して非常に高い人気を維持しています。
レジャー・趣味用途の軽バン・軽ワゴンの市場は、各メーカーが独自の強みを打ち出しています。
最後に、ダイハツ ハイゼットカーゴのライバル車を紹介しましょう。
スズキ エブリイ (EVERY)


ダイハツ ハイゼットカーゴ・アトレーの最大のライバルであり、長年この市場を牽引してきた車種です。
荷室長が非常に長く、車中泊や長尺物の積載可能な圧倒的な荷室の広さが自慢です。
軽バンの中でも歴史が長く、DIYやカスタムパーツが最も豊富で、ハイゼットカーゴ同様カスタムベースとして人気です。


ホンダ N-VAN (エヌバン)


比較的新しい世代の軽バンであり、従来の軽バンとは一線を画す革新的な構造を持っており、従来の軽バンより衝突安全性と運転席周りの静粛性が高いのが特徴です。
助手席と後席が床下に完全に格納され、運転席以外が完全にフラットなる他、助手席側ピラーレス(大開口)は、横からの荷物の積み下ろしに便利です。


スズキ スペーシア ベース (SPACIA BASE)


2022年に登場した新しいコンセプトの軽バン(商用車登録)です。
乗用車の「スペーシア」がベースのため、乗り心地や静粛性が軽バンの中で非常に高いのが特徴です。
荷室に棚やベッドとして使える「マルチボード」が標準装備されており、室内高を活かしが多様なアレンジが可能です。


ハイゼットカーゴ クルーズ まとめ
ここまで、働く車の代名詞「ハイゼットカーゴ」の中から、上級グレードの「クルーズ」に注目し、エントリーグレードの「スペシャル」と比較しながら、仕事での使い勝手とプライベートの快適性の両面から紹介してきました。
ハイゼットカーゴ クルーズは、「仕事に使う軽バンに、乗用車並みの快適性や利便性も求めたい」という方に最適なグレードです。
・仕事とプライベートを兼用したい方
・荷物の積み下ろしが多い方(スマートキーやLED荷室灯)
・長距離運転の機会が多い方(ターボ車、快適装備)
・趣味(キャンプ、釣りなど)で汚れ物を気にせず使いたい方(撥水シート)
車中泊も「新しいライフスタイル」として定着し、非常に高い人気を維持しており、各メーカーからも独自の強みを打ち出したレジャー・趣味用途の軽バン・軽ワゴンを展開しています。
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