世界中で”温室効果ガスなどの排出をゼロにする脱炭素化”の流れが加速している昨今、環境に優しい車として世界から注目されている電気自動車(EV)。
特に軽自動車のEVは運転しやすいサイズ感や検討しやすい価格帯などの理由から、注目を集めています。
今回は軽EVの車種や補助金制度など、その特徴と魅力をご紹介します。
この記事を読んでわかること
- 軽EVの特徴とメリットデメリット
- 軽EVおすすめ5車種の特徴とおすすめポイント
- 軽EVの購入が向いている人
目次
軽自動車の電気自動車(EV)の特徴
電気自動車とはどのような車か
電気自動車はEV(Electric Vehicle)とも呼ばれ、ガソリンではなく電気をエネルギー源として走行する自動車を指します。※以下電気自動車をEV、軽自動車のEVを軽EVと表記します
EVにはエンジンの代わりにモーターが搭載されており、ガソリン車のようなエンジン始動時の音や振動、アイドリング中の音や振動がないため、静粛性に優れている点が特徴。
EVとガソリン車との最大の違いは、走行時に二酸化炭素を排出しない点です。
軽自動車とEVの相性
軽自動車は車の性質上、EVに向いていると言われています。
主な理由は以下の3つです。
- ・普通車のEVと比較して車両本体価格が安い
- ・セカンドカーとしての需要が多く、近距離運転が多い
- ・軽自動車のガソリン車と比較して静かでパワーのある走りが可能
2022年に登場した日産サクラにより、軽自動車とEVの親和性の高さが注目され、軽EVの人気が高まりました。
軽EVのメリットデメリット
軽EVのメリットとデメリットをご説明します。
メリット
軽EVの主なメリットは以下の4つです。
- ・燃料費を抑えられる
- ・静粛性の高さと力強い走り
- ・補助金が出る
- ・環境に優しい
特に注目したいメリットは静粛性の高さと力強い走りです。
EVに乗ったことがある、見たことがある方はその静粛性に驚かれたのではないでしょうか。
特に軽バンEVは、朝早くから夜遅くまで住宅地へ配送をするドライバーの音に対する不安、そして近隣住民の騒音問題についても貢献してくれるでしょう。
また、モーターを搭載するEVは加速力の強さも特徴です。
EVはガソリン車のターボ車と同等の加速力を実現しており、ストレスフリーな走行を実現しています。
デメリット
軽EVの主なデメリットは以下の3つです。
- ・イニシャルコストが高額
- ・充電の場所と時間
- ・航続距離が短い
EVのデメリットとして頻繁にあげられる点が、高額なイニシャルコストです。
EVは高価なリチウムイオンバッテリーを使用しているため、車両価格が高額になります。
また、自宅で充電する場合には設備の設置・工事の費用が必要です。
詳細は後述しますが、イニシャルコストを抑えるための補助金が存在します。
軽乗用車EVおすすめ2車種
軽乗用車のEVを2車種紹介します。
- ・日産サクラ
- ・三菱ekクロスEV
上記2車種は日産と三菱で共同開発された軽EVです。
記事中に出てくる「一充電走行距離」は完全に充電されている状態で連続走行できる距離、「交流電力量消費率」は電気自動車が1km走るのに必要な電力の容量(wh)を表します。
日産サクラ
出典:日産自動車株式会社
- 車両本体価格:2,599,300円~3,082,200円
- 一充電走行距離:180km
- 交流電力量消費率:124 Wh/km
日産サクラとは
日産サクラは2022年5月に発表されてからわずか2ヵ月で2万3000台を受注。
EVとしては異例のヒットとなったことで注目を集めました。
2022年度、2023年度と2年連続でEV販売台数No.1(国内販売)を獲得しています。(日産自動車ニュースルーム)
デイズで高く評価されている広い車内空間と、リーフの開発で蓄積した技術で、快適かつ安全に毎日の運転を楽しめる設計が魅力です。
2023年12月には日産自動車株式会社の創立90周年を記念し、特別装備が装着された「日産サクラ 90th Anniversary」が発売されました。
おすすめポイント
日産と言えば、先進技術を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
日産サクラの安全性能は「新総合評価(自動車安全性能2022)」において、最高評価「ファイブスター賞」を獲得しているため、毎日の運転を安心安全に楽しめます。
また、上級グレードである「G」には高速道路での運転の負担を軽減してくれるプロパイロットが標準装備。
先進の安全技術を体感したい方におすすめです。
三菱ekクロスEV
出典:三菱自動車工業株式会社
- 車両本体価格:2,568,500円~3,131,700円
- 一充電走行距離:180km
- 交流電力量消費率:124 Wh/km
ekクロスEVとは
ekクロスEVは2022年5月に三菱より発表されてから約2ヵ月で5400台を受注。
当初の月販売目標台数を850台とする中、受注数は2ヵ月で目標の6倍になるなど日本の軽自動車市場において、EVのシェア率向上に導きました。
外装はeKシリーズとして共通化されたブランド表現を重視しており、ガソリンエンジン搭載車のeKクロスとフロントグリルやエンブレム以外は同じデザインになっている点が特徴です。
ekクロスとほとんど変わらないデザインにすることで、電気自動車の敷居を下げ、電気自動車がより気軽に購入の選択肢に入ってほしいという思いが込められています。
おすすめポイント
ekクロスEVはSUVライクなエクステリアデザインが魅力です。
デザインはeKクロスがベースとなっており、ワイルドでアクティブな印象。
四角形状のフォグランプやグリルのクローム加飾、サイドのEVバッジはekクロスEVならではの特徴で、特別感を感じることができます。
また、上級グレードである「P」には電動格納式ヒーテッドドアミラーやリヤヒーターダクトが標準装備されて実用的な装備が充実しています。
アクティブにEVを乗りこなしたい方におすすめです。
軽バンEVおすすめ3車種
軽バンEVを3車種ご紹介します。
- ・ホンダN-VANe:
- ・三菱ミニキャブEV
- ・日産クリッパーEV
日産クリッパーEVは三菱ミニキャブEVをベースにしたモデルであり、三菱からのOEM供給を受けています。
※OEMとはOriginal Equipment Manufacturerの略。車の場合、他社が開発製造した車種を提供してもらうこと
ホンダN-VANe:
出典: 本田技研工業株式会社
- 車両本体価格:2,699,400円~2,919,400円※リースを除く
- 一充電走行距離:245km
- 交流電力量消費率:127 Wh/km
N-VANe:とは
2024年10月に発売されたN-VANe:は、人気のNシリーズの商用車「N-VANのEVモデル」です。
ホンダは日本国内の四輪車販売において、2030年にハイブリッド車を含めて100%電動車とすることを目指しており、EVの本格展開のスタートとしてN-VAN e:が発売されました。
スタンダードタイプの「e: L4」と「e: FUN」には先進の安全運転支援システムであるHonda SENSINGを標準装備。
N-VANの広い車内空間や高い積載性能はそのまま、EVならではの力強い加速や滑らかな走り、高い静粛性が魅力の1台です。
おすすめポイント
N-VANe:はバッテリーの薄型化にこだわった低床プラットフォームと、ピラーレスによる大きな開口部が魅力。
ガソリン車のN-VANで実現した、商用車には必須の荷物の積み下ろしのしやすさと、大容量の荷室空間を受け継いでいます。
助手席もフラットにすれば、長尺の荷物も楽々積載可能です。
荷物の積み下ろしやすさを重視したい方におすすめです。
出典: 本田技研工業株式会社
三菱ミニキャブEV
出典:三菱自動車工業株式会社
- 車両本体価格:2,431,000円~2,541,000円
- 一充電走行距離:180km
- 交流電力量消費率:127 Wh/km
ミニキャブEVとは
2023年12月に発売されたミニキャブEVは、軽バンEVの先駆けである「ミニキャブ・ミーブ」の改良モデルです。
改良により、一充電走行距離は約35%向上し180㎞に。
さらに予防安全技術である三菱e-Assistを採用したり、走行性能を向上し電費を向上させたりと大きな進化を遂げました。
内装、外装は軽バンらしいシンプルなデザインと使い勝手の良さが特徴。
高い静粛性と力強い走りにより仕事の相棒として愛されるEVです。
おすすめポイント
ミニキャブEVには2シーターと4シーターの設定があり、用途に合わせて選択可能です。
2シーターもしくは4シーターで2名乗車時の室内長は1,840mmと、長尺の荷物にも十分対応できるサイズ。
日本郵便の集配用車両として使用されてきた実績のある三菱の軽バンEV。
国内の軽EV需要に応えてきた、シンプルさと使い勝手の良さは王道の安心感を感じさせてくれます。
歴史ある王道の軽バンEVに乗りたい方におすすめです。
日産クリッパーEV
出典:日産自動車株式会社
- 車両本体価格:2,865,500円~2,920,500円
- 一充電走行距離:180km
- 交流電力量消費率:127 Wh/km
クリッパーEVとは
クリッパーEVは2024年2月に三菱のミニキャブEVをベースにOEM車として登場した、軽バンらしい広い荷室が自慢の車です。
軽バンらしい広い荷室の他、先進安全装備も充実。
ドライバーの負担軽減や衝突回避を支援するなど、より安全な運転をサポートします。
全車、ペダル踏み間違い時加速抑制装置/車線逸脱警報/先進ライト(自動切替型前照灯など)の採用により、「サポカーS ワイド」に該当しています。
おすすめポイント
グレードはルートバン、2シーター、4シーターの3つのラインナップ。
ルートバンはベース車であるミニキャブEVには設定の無いグレードです。
2シーターを商用メインに設計されたグレードで荷室が広く、座席数は2席のみ。
商用モデルとなるため、スライドドアガラスとリヤクォーターガラスを塞いだ仕様になります。
使い方に合わせたグレード選択をしたい方におすすめです。
軽EVの充電方法
EVの充電は、「普通充電」と「急速充電」の2種類があります。
自宅では「普通充電」、外出先では「普通充電」と「急速充電」が利用可能です。
※車種やグレードにより、「急速充電」対応はメーカーオプションとなります
自宅で充電
自宅での充電はコンセント、もしくはV2H機器を利用します。
※V2H機器での充電は急速充電用ポートを使用
V2HとはVehicle to Homeの略で、電気自動車のバッテリーに蓄えた電気を家で使う仕組みです。
もしもの停電時にも、EVを非常用電源にできるメリットがあります。
電気工事や設置工事が必要になるため、購入時に各メーカーにお問い合わせください。
出典:日産自動車株式会社
外出先で充電
公共の充電設備数は2024年5月時点で約32,000口。
普通充電は約22,000口、急速充電は約10,000口あります。(※ゼンリン調べ)
長時間買い物をする際には普通充電、小休止の場合は急速充電と使い分けが可能です。
EVを販売する自動車メーカーはそれぞれ国内最大級の充電器ネットワークをもつ、株式会社e-Mobility Powerの充電サービス「eMP充電スポット」をお得に利用できる会員制のサービスを案内しています。
詳細は各メーカーの車種公式HPをご覧ください。
出典: 本田技研工業株式会社
補助金制度
ガソリン車と比較して、イニシャルコストが高額な点がデメリットだった軽EV。
しかしながら、国や自治体からの補助金利用によって、支払う金額を抑えることが可能になりました。
特に軽EVは価格が高額で手が出せなかったという方にも、手の届く価格になっています。
補助金は国と自治体の両方から受け取ることが可能です。
国の補助金
2024年11月現在、国の補助金制度は「CEV補助金」の1種類。
CEVとはClean Energy Vehicleの略で、クリーンエネルギー自動車を指します。
この制度は「環境性能に優れたクリーンエネルギー自動車の購入費用の一部を補助するものであり、クリーンエネルギー自動車の普及促進を目的としているため、個人以外でも、公共団体や企業も受けることが可能な制度です。
軽EVの補助金上限額は55万円。
補助金の予算は決められており、予算上限に達成した時点で終了となりますので注意が必要です。
補助金について詳しく知りたい方は次世代自動車振興センターのWEBサイトをご確認ください。
自治体の補助金
自治体の補助金は、自治体によって内容や補助金額が異なります。
補助金に関する詳細は次世代自動車振興センターのWEBサイトをご確認ください。
また、募集状況はお住まいの各自治体に確認をお願いします。
軽自動車EVにはどんな車種があるの?記事 まとめ
今回は軽EVの特徴やメリットデメリット、車種の紹介をしました。
特に軽EVが向いている方の特徴は以下の3点です。
- ・街乗りがメイン
- ・環境に配慮した車に乗りたい
- ・ランニングコストを抑えたい
世界的にEVに注目が集まる昨今、車の乗り換えのタイミングなどでEVを選択肢に入れる方も多いのではないでしょうか。
ガソリン車と比較して航続可能距離が短いEVですが、街乗りであれば問題なく走行可能なことに加え、燃料費(電気代)を抑えられます。
補助金を上手く活用すれば、手の届きやすい価格を実現する軽EV。
気になった方は、ぜひ実物をご覧になり、試乗してその静粛性や力強い走りを体感してみてください。
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