
日産サクラと三菱ekクロスEVは2022年5月に日産と三菱の共同開発で生まれ、注目と人気を集めている軽EVです。
プラットフォームを共有しているサクラとekクロスEVの性能はほぼ同じですが、内装外装のデザインは大きく異なります。
今回は、サクラとekクロスEVの基本情報や内装外装、安全性能などをもとに比較していきます。
この記事を読んでわかること
- 基本情報と車内の大きさ、内装外装安全装備の比較
- EVを購入する際に申請可能な補助金の比較
- 自宅と外出先で充電する場合の比較
- サクラとekクロスEVの購入が向いている人
目次
サクラとekクロスEVの概要
サクラとekクロスEVはどちらも軽自動車ならではの車両重量の軽さや運転のしやすさと、電気自動車ならではの力強い加速や滑らかな走り、高い静粛性を兼ね備えたモデルです。
それぞれの特徴や、各メーカーにおける位置づけなどをご説明します。
サクラの概要
2022年5月に発表されてから約2ヵ月で2万3000台を受注し、電気自動車としては異例のヒットと言われているサクラ。
サクラはデイズで高く評価されている広い車内空間と、リーフの開発で蓄積した技術で、快適かつ安全に毎日の運転を楽しめる設計が特徴です。
日産から発売されている電気自動車のリーフ、アリアと共に電気自動車の普及促進に弾みをつける存在であり、日産の軽自動車のフラッグシップに位置づけられています。
出典:日産自動車株式会社
ekクロスEVの概要
ekクロスEVは2022年5月に発表されてから約2ヵ月で5,400台を受注。
もともと、月販売目標台数は850台で、受注数は2ヵ月で目標の6倍となりました。
ekシリーズの一員として位置づけられており、外装はeKシリーズとして共通化されたブランド表現を重視。
ガソリンエンジン搭載車のeKクロスとフロントグリルやエンブレム以外は同じデザインになっている点が特徴です。
ekクロスとほどんど変わりないデザインによって電気自動車の敷居を下げ、電気自動車がより気軽に購入の選択肢に入ってほしいという思いが込められています。
出典:三菱自動車工業株式会社
サクラとekクロスEVの基本情報
サクラとekクロスEVの車両本体価格とスペックを簡単にまとめました。
サクラ | ekクロスEV | |
---|---|---|
グレード | X/G | G/P |
本体価格 | 【X】2,599,300円 【G】3,082,200円 | 【G】2,568,500円 【P】3,131,700円 |
車高 | 1,655mm | 1,655mm |
車両重量 | 【X】1070kg 【G】1080kg | 【G】1060kg 【P】1080kg |
一充電航続距離 | 180km | 180km |
交流電力量消費率 | 124Wh/km | 124Wh/km |
最高出力 | 47kW | 47kW |
最大トルク | 195N・m | 195N・m |
サクラとekクロスEVは本体価格と車両重量に若干の差はありますが、プラットフォームを共有しているため、その他スペックに違いはありません。


内装の比較
サクラとekクロスEVの内装を比較します。
デザインの比較
サクラのインパネ部分は凹凸のないフラットなディスプレイに、エアコンもタッチパネル式で同じくフラットなデザインのため、統一感とすっきりと洗練された印象を受けます。
インテリアのバリエーションはベージュ(対応グレード:X)、ブラック(対応グレード:X/G)、プレミアム(対応グレード:G)が用意されており、どの色合いも、すっきりとしたインテリアデザインに合う、落ち着いた色合いです。
出典:日産自動車株式会社
Gグレードはメーカーオプションでプレミアムが選択可能。
インパネとドアフィニッシャーのカッパー加飾が特徴的で、シート地は合皮+トリコットになります。
出典:日産自動車株式会社
ekクロスEVの内装は、軽SUV車のekクロスの内装と共通している点が多く、電気自動車でありながらSUV車のようなアクティブさを感じられる内装デザインです。
内装色はブラックで、操作性と快適性を追求した水平基調のデザインが特徴のインパネは、シンプルですっきりとしています。
出典:三菱自動車工業株式会社
Pグレードでは、メーカーオプションでプレミアムインテリアパッケージを選択可能。
インテリアカラーはライトグレー、シート生地は合皮とファブリックシートとなります。
出典:三菱自動車工業株式会社
収納の比較
基本収納を場所別にまとめました。
収納有は○、無は×で表示しています。
サクラ | ekクロスEV | |
---|---|---|
ドリンクホルダー | ○ | ○ |
運転席インパネ収納 | × | × |
助手席インパネ収納 | ○ | ○ |
後席収納 | ○ | ○ |
サクラは引き出し式のインパネボックスやサクラの花がデザインされたインストセンターロアボックスが特徴的。
すっきりとした室内に合う、デザイン性のある収納です。
出典:日産自動車株式会社
ekクロスEVはサクラではディーラーオプションの助手席シートアンダートレイが標準装備。
運転用の靴や車内で使用する小物など、2kgまで物を入れることができる実用性の高い収納です。
出典:三菱自動車工業株式会社
外装の比較
サクラとekクロスEVの外装を比較します。
デザインの比較
サクラは電気自動車の特徴である静粛性と力強さを反映させたデザイン。
無駄をそぎ落としたデザインは、すっきりとしながらもダイナミックさを感じられる点が特徴です。
ヘッドランプとリアコンビランプ、グリルのデザインは、日本の伝統的な格子をヒントしており、バンパーやホイール、インテリアには水引から着想を得たデザインを採用するなど、日本的な美しさも感じられます。


ekクロスEVの外装デザインはeKクロスがベースとなっており、ワイルドでアクティブな見た目です。
四角形状のフォグランプやグリルのクローム加飾、サイドのEVバッジはekクロスEVならではの特徴で、特別感を感じることができます。
Pグレードのスタイリッシュな15インチのアルミホイールも魅力です。
出典:三菱自動車工業株式会社
タイヤの比較
サクラとekクロスEVのタイヤサイズとホイールの種類をまとめました。
サクラ | ekクロスEV | |
---|---|---|
タイヤサイズ | 【X】155/65/R14 【G】155/65/R14 | 【G】155/65/R14 【P】165/55/R15 |
ホイール | 【X】アルミ 【G】アルミ | 【G】スチール 【P】アルミ |
サイズ
サクラのタイヤサイズはグレード関係なく、14インチですがGグレードにはメーカーオプションで15インチのタイヤを装備させることが可能です。
ekクロスEVのPグレードは15インチのタイヤが標準装備されています。
ホイール
サクラはアルミホイールが標準装備、ekクロスEVはPグレードはアルミホイールですが、Gグレードはフルホイールカバー付のスチールホイールです。
ボディカラーの比較
サクラのボディカラーラインナップはグレードにより異なります。
最も設定の多いGグレードはモノトーン6色、2トーン9色の計15色です。
※Xグレードはモノトーン6色、2トーン5色の計11色
ekクロスEVのボディカラーラインナップは、全グレード共通でモノトーン5色、2トーン5色の計10色です。
サクラのボディカラー


ekクロスEVのボディカラー


大きさの比較
サクラとekクロスEVの大きさを比較します。
室内寸法の比較
サクラとekクロスEVの室内寸法をまとめました。
サクラ | ekクロスEV | |
---|---|---|
室内 長さ | 2,115mm | 2,065mm |
室内 幅 | 1,340mm | 1,340mm |
室内 高さ | 1,270mm | 1,270mm |
室内長はサクラの方が50mm長いですが、幅と高さは同じです。
どちらの車種も前席、後席ともにゆったり乗ることができます。
荷室の比較
日産と三菱のHPによると、サクラとekクロスEVの荷室容量は全高1,700mm以下の軽ハイトワゴンの中でトップクラスです。
後席は前後スライドとリクライニングが可能なので、使う場面に合わせてシートアレンジをして荷室を広く使うことができます。
フルフラットにはならないので注意してください。
出典:三菱自動車工業株式会社 日産自動車株式会社
補助金の比較
サクラとekクロスEVを購入する際に申請可能な補助金とその金額は以下の通りです。
※2024年11月現在
サクラ | ekクロスEV | |
---|---|---|
国の補助金 | 55万円 | 55万円 |
自治体の補助金 (東京都の場合) | 55万円~70万円 | 55万円~70万円 |
サクラとekクロスEVの補助金額は同額で国と自治体のどちらにも補助金を申請することができます。
自治体の補助金は、自治体によって内容や補助金額が異なるため注意してください。
東京都の場合、再エネ電力導入の場合は70万円、導入しない場合は55万円です。
補助金に関する詳細は次世代自動車振興センターのWEBサイトをご確認ください。
また、お住まいの各自治体に確認をしてください。
充電に関する比較
電気自動車にとって必要不可欠な充電について比較します。
自宅で充電する場合
電気自動車を自宅で充電する場合には、EV充電用コンセントや漏電遮断機能付専用分岐ブレーカーの設置など充電設備工事が必要です。
サクラは別途コントロールボックス付の充電ケーブルの購入が必要。
200V 7.5m用はメーカーオプション、200V 15m用/200V 3m用/100V 7.5m用はディーラーオプションです。
日産の電気自動車充電に関しては日産自動車株式会社のWEBサイトをご覧ください。
ekクロスEVは200V 7.5m用のコントロールボックス付の充電ケーブルが標準装備。
三菱の電気自動車充電に関しては三菱自動車工業のWEBサイトをご覧ください。
外出先で充電する場合
公共の充電設備数は2024年5月時点で約32,000口。
普通充電は約22,000口、急速充電は約10,000口あります。(※ゼンリン調べ)
高速道路のサービスエリアや日産販売店、コンビニエンスストア、道の駅など、日本全国の電気自動車用充電スタンドが増えています。
サクラもekクロスEVも有料のサポートプログラムに加入することでeMP充電スポットを快適に利用可能です。
※eMP充電スポットとは、高速道路のサービスエリアや日産販売店、コンビニエンスストア、道の駅などに設置された株式会社e-Mobility Powerが提供する充電サービスです。
サクラの場合、充電サービスの日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)に加入すると、専用のZESP3カード1枚で日本全国に普及したeMP充電スポットを利用できます。
プランも無料充電付きの3つの「プレミアム」と、都度課金制の「シンプル」があり、自分の使い方に合わせて選択可能です。
ekクロスEVの場合、三菱自動車電動車両サポートというカードがあり、eMP充電スポットを利用できます。
こちらも、無料充電付きの「プレミアム」と、都度課金制の「ベーシック」があり、自分の使い方に合わせて選択可能です。


安全性能の比較
サクラとekクロスEVは2022年、国土交通省と自動車事故対策機構による自動車アセスメントであるJNCAPの安全性能評価で、最高評価である「ファイブスター賞」を獲得しています。
標準装備の安全性能
車選びをする上で重要なポイントとなる安全性能ですが、サクラとekクロスEVにはそれぞれ、360°セーフティアシスト(サクラ)、e-Assist(ekクロスEV)として、様々な機能が備わっています。
標準装備の機能をまとめました。
- ・衝突被害軽減ブレーキシステム
- ・踏み間違い衝突防止アシスト
- ・車線逸脱防止支援システム
- ・前方衝突予測警報
- ・ふらつき警報
- ・標識検知機能
- ・先行車発進お知らせ
前方衝突予測警報は、2台前を⾛る車両の車間・相対速度をミリ波レーダーでモニタリングし、ブレーキの踏み遅れによる玉突事故回避を⽀援する優れた予防安全機能です。
車種ごとに異なる安全性能
前述の通り、サクラとekクロスEVには、衝突被害軽減ブレーキシステムや踏み間違い衝突防止機能など基本的な安全性能が標準装備されていますが、機能によってはグレード別やメーカーオプションの場合があり、注意が必要です。
車種によって装備状況が異なる機能をまとめました。
標準装備は○、メーカーオプションは△、装備不可は×で表示しています。
サクラ | ekクロスEV | |
---|---|---|
高速道路同一車線 運転支援機能 (プロパイロット) (マイパイロット) | 【X】△ 【G】○ | 【G】× 【P】△ |
アラウンドビュー モニター | 【X】△ 【G】○ | 【G】△ 【P】○ |
SOSコール | 【X】△ 【G】○ | 【G】△ 【P】○ |
ロードリミッター付 プリテンショナー シートベルト〈後席〉 | 【X】△ 【G】○ | 【G】○ 【P】○ |
運転席SRS ニーエアバッグ | 【X】△ 【G】○ | 【G】○ 【P】○ |
サクラの上級グレードであるGグレードは、高速道路走行の負担を軽減するプロパイロットや駐車支援をするアラウンドビューモニターなどが標準装備なので、特に先進の安全装備を重視してる方におすすめです。
ekクロスEVは衝突安全性能が充実しており、後席のロードリミッター付プリテンショナーシートベルトや運転席SRSニーエアバッグが全グレード標準装備である点が魅力です。
サクラとekクロスEVをおすすめしたい人


特別感と先進技術を重視したい方はサクラ
日産の電気自動車らしいスタイリッシュなデザインと「サクラ」の車名にちなんだ特別感のある内外装は唯一無二の存在感を感じさせます。
上級グレードであるGグレードは先進の安全装備が標準装備なので、安全性能の面でも特別感が魅力です。
サクラについての詳しい記事はこちらをご覧ください。
日常的に使える装備を重視したい方はekクロスEV
eekシリーズの一員として位置づけられているekクロスEVは日常に馴染むデザインが魅力。
必要不可欠な充電ケーブルが標準装備である他、上級グレードであるPグレードにはサクラにはメーカーオプションの電動格納式ヒーテッドドアミラーやリヤヒーターダクトが標準装備なので実用的な装備が充実していると言えます。
ekクロスEVについての詳しい記事はこちらをご覧ください。


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