軽バンは仕事用として使用されることの多い車ですが、荷室の使い勝手の良さからキャンプやアウトドア、車中泊などに使う方も多くなっています。
現在販売されている軽バンはOEM車を除いて5車種です。
今回は、軽バンで車中泊をするメリットデメリットと5車種の荷室寸法や車中泊用の純正アクセサリーを比較、紹介します。
この記事を読んでわかること
- 軽バンで車中泊をするメリットデメリット
- 車中泊におすすめ人気軽バンの基本情報と特徴
- 荷室寸法やアクセサリーの比較
目次
軽バンで車中泊をするメリットデメリットとは
手軽に車中泊ができる軽バン。
代表的なメリットとデメリットをご紹介します。
軽バンで車中泊をするメリット
代表的なメリットを3つご紹介します。
- ・費用を抑えられる
- ・コンパクトで運転しやすい
- ・カスタマイズしやすい
費用を抑えられる
軽バンは普通自動車や軽乗用車と比較して購入時の価格を抑えられる車種が多くあります。
また、毎年支払いが必要な自動車税の費用を抑えることができます。
アウトドアに出かける際の高速代も軽自動車の方が安いため、費用面で受けられる恩恵は非常に大きいです。
コンパクトで運転しやすい
軽バンは小回りが利くため、運転しやすい点が魅力。
最も小回りの効くスズキエブリイの最小回転半径は4.1mです。
カスタマイズしやすい
軽バンにはアウトドアや車中泊用のアクセサリーが数多く出ています。
内窓に付けるプライバシーシェードや布団代わりになるマットなど組み合わせれば、初心者の方でも簡単に車中泊を楽しむことが可能です。
軽バンは後席を収納すると、すぐに広くフラットな空間を作ることができます。
普段使いの状態から車中泊仕様にすぐに変えられる点も魅力です。
軽バンで車中泊をするデメリット
代表的なデメリットを2つご紹介します。
- ・少人数向き
- ・パワー不足を感じる可能性がある
少人数向き
軽自動車は乗車定員が4人であることに加え、軽バンの後席はあまり座り心地を重視した造りではありません。
車中泊という点を考えても、1人〜2人で車中泊を楽しむ方にぴったりです。
パワー不足を感じる可能性がある
軽バンはもともと荷物を運ぶための貨物車ですが、排気量は660ccと軽乗用車と変わりありません。
人を乗せたり荷物を載せすぎたりすると、走りが重く感じる可能性があります。
パワフルな走りを希望される方は、ターボグレードがおすすめです。
現在発売されている軽バン5車種の紹介
2024年5月現在販売されている、現行の軽バン5モデルをまとめました。 ※OEM車除く
【軽バン一覧 メーカー・車種名】
- ・スズキ エブリイ
- ・スズキ スペーシアベース
- ・ダイハツ ハイゼットカーゴ
- ・ダイハツ アトレー
- ・ホンダ N-VAN
この他に、エブリイは日産、マツダ、三菱、ハイゼットカーゴはトヨタ、スバルでOEM車が販売されています。
※OEMとはOriginal Equipment Manufacturerの略で、車の場合、他社が開発製造した車種を提供してもらうこと
簡単に各車種を紹介します。
スズキの軽バン エブリイ
出典:スズキ株式会社
エブリイは1982年に発売された「人の働きやすさ」を第一に考えて設計されている軽バンです。
運転席のシート位置が高いため見通しが良いことに加え、軽バンの中で最も小回りが効き運転しやすい点が特徴。
2024年2月の仕様変更では、CVT車を設定したことで燃費性能や静粛性が向上しました。
スズキの軽バン スペーシアベース
出典:スズキ株式会社
スペーシアベースは、2022年8月に登場した新型軽商用車で「遊びに仕事に空間自由自在。新しい使い方を実現する軽商用バン」がコンセプト。
商用車の特徴である車内空間の広さや積載性と、乗用車の特徴である運転のしやすさや快適性を兼ね備えた車です。
マルチボードが標準装備となっており、車中泊やワーケーションなど、目的に合わせて室内空間を自由にアレンジ可能です。
ダイハツの軽バン ハイゼットカーゴ
ハイゼットカーゴは1982年に初代モデルが発売。
ハイゼットカーゴの特徴は、軽バン最大の積載量です。
荷室長は2名乗車時で1,915mm、荷室幅1,410mm、荷室高1,250mmと、軽バンNo.1。
窓開閉ハンドルや床のアンカー金具、シートベルトリトラクターなどをフラット化することでデッドスペースを無くすと同時に、荷物に傷がつきにくい設計になっています。
ダイハツの軽バン アトレー
アトレーは、1981年に登場。
RVと呼ばれるレジャーや趣味などのようなレクリエーションのための車として販売されている軽バンです。
「第三の居場所」をキャッチコピーに、大容量の荷室と積載性や安全性能を備えた自由に過ごせる車として話題に。
全車ターボエンジン搭載で力強い走りが魅力です。
ホンダの軽バン N-VAN
出典: 本田技研工業株式会社
ホンダのN-VANは2018年にNシリーズ初の新型商用車として販売されました。
デザイン性だけではなく、軽バンとしての使い勝手にも定評のあるN-VAN。
運転席以外のシートは床下にしまうことができ、フルフラットにできるダイブダウン(助手席の背もたれを倒し、シートを座面ごと足元へ収納できる機能)を備えたことにより、積載性に優れた車になっています。
2024年4月には一部改良と同時に特別仕様車「STYLE+ NATURE(スタイルプラス ネイチャー)」の発売を発表しました。
荷室寸法とシートアレンジの特徴
荷室寸法
荷室寸法の比較表を作成しました。※2名乗車時
車種 | 荷室長 | 荷室幅 | 荷室高 |
---|---|---|---|
エブリイ | 1,820mm~1,910mm | 1,280mm~1,320mm | 1,240mm |
スペーシアベース | 1,205mm | 1,245mm | 1,220mm |
ハイゼットカーゴ | 1,820mm~1,915mm | 1,265mm~1,270mm | 1,225mm~1,250mm |
アトレー | 1,820mm | 1,265mm | 1,215mm |
N-VAN | 1,510mm | 1,235mm | 1,365mm |
※各車種、グレードによって寸法は異なります
架装を施してキャンピングカーにしたい方には荷室長が1,800mm以上あるエブリイ、ハイゼットカーゴ、アトレーがおすすめです。
シートアレンジと荷室の使い勝手
各車種のシートアレンジと荷室の特徴をご紹介します。
エブリイ
十分広い荷室空間でレジャーや車中泊に必要な荷物の積載や、車内で過ごすことが可能です。
エブリイは助手席を前に倒した時の床面長が2,640mmになります。
助手席の背面にはグレード別でシートバックテーブルを装備。
車中泊中にもちょっとしたものを置いたり食事をしたりと、便利に活用できる装備です。
出典:スズキ株式会社
スペーシアベース
スペーシアベースには685mm×1,130mmのマルチボードが標準装備されており、ボードを使用することで車内空間を様々な形で使用できます。
【上段モード】
仕事用のデスクとしてだけでなく、車内で快適に過ごすためのテーブルとして活用できます。
出典:スズキ株式会社
【中段モード】
荷室を上下に分割する棚板として荷物の整理などに役立ちます。
アウトドアの荷物を載せるのにもぴったりです。
出典:スズキ株式会社
【下段モード】
前席の背もたれを倒すと、フルフラットな空間で大人2人でもゆったり快適な車中泊が楽しめます。
出典:スズキ株式会社
【前後分割モード】
前後に分割することで荷物が整理しやすい荷室にアレンジ可能です。
ペットとの旅でケージを安全に載せるスペースとしても活用できます。
出典:スズキ株式会社
ハイゼットカーゴ
ハイゼットカーゴは荷室の広さが軽バンの中でナンバーワン。
優れた積載性と荷物の積み下ろしやすさでレジャー用の荷物を運ぶことができ、車内でもゆったりと過ごせます。
また、水平格納式リヤシートを採用しており、段差や引っ掛かりがない点が魅力です。
出典:ダイハツ工業株式会社
アトレー
アトレーのラゲッジスペースと後席シートの背面には防水素材が採用されています。
アウトドア用の荷物や園芸用品など趣味の荷物も安心して積載可能です。
また、ハイゼットカーゴと同様の水平格納式リヤシートなので、フラットなフロアで横になることも可能。
段差が気になることもないので、マットなどを敷かずにそのまま横になり、寝袋などを使って快適に過ごせます。
フラットな広々とした空間は、レジャーの休憩や車中泊に活かせます。
出典:ダイハツ工業株式会社
N-VAN
N-VANは荷室床面長と荷室長の長さが短くなっており、車中泊する場合には荷室だけでなく、助手席もフラットにする必要があります。
N-VANは軽バン初のピラーレス仕様を採用することで、開放的な空間と助手席側からの楽な荷物の積み下ろしを実現。
従来の軽バンは荷室を広くとるためにエンジンが前席の下にありましたが、N-VANはホンダ独自の技術で燃料タンクをセンターに、エンジンを室外前方に配置しています。
荷室の床が低くなっていることで縦に開放感のある室内が生まれ、エンジンを室外に配置したことで静音性に優れた空間を作り出しています。
助手席はフルフラットになるだけでなく、背もたれを前方に倒すとテーブルとして使うこともできるので、運転席で食事をしたり、書類を書いたりするときなど、目的に合わせて使用可能です。
出典:本田技研工業株式会社
車中泊に便利な純正アクセサリー
各メーカーから車種に合わせた車中泊用のアクセサリーが発売されています。
便利に使える純正アクセサリーをご紹介します。
エブリイの純正アクセサリー
フロントプライバシーシェード(メッシュ付き)
出典:スズキ株式会社
価格:24,200円
フロントガラスとフロントサイドガラスの目隠し用です。
メッシュ付きなので、遮光生地部分を開けて外の状況を確認することも可能。
リアのプライバシーシェードもあり、27,500円で購入できます。
リア用は後方録画用ドライブレコーダーとは同時装着できないため、注意してください。
リラックスクッション
出典:スズキ株式会社
価格:25,850円(1セット)
サイズ:全長210cm×幅54cm×厚さ2cm
表皮はポリエステル、クッション材はウレタンを使用しています。
前席部分は段差ができてしまうため注意が必要です。
また、荷室フックやラゲッジマットなど多くのアクセサリとは同時装着不可になるため、購入時に確認してください。
2段ベッドセット
※写真はエブリイワゴンです
出典:スズキ株式会社
価格:202,400円
ベッドキット、ベッドマット、乗降ボードのセットです。
車内に設置すると、乗員定員である4人が横になって足を伸ばすことができます。
スペーシアベースの純正アクセサリー
外部電源ユニット
出典:スズキ株式会社
価格:50,600円(工賃込)
外の電源供給設備や電源などと繋ぐことで最大1500Wまでの電化製品を使えます。
フロントプライバシーシェード(メッシュ付き)
出典:スズキ株式会社
価格:24200円
メッシュ付きのプライバシーシェードはフロントガラスとフロントサイドガラスの目隠し用です。
リアのプライバシーシェードもあり、24,200円で購入できます。
カータープ
出典:スズキ株式会社
価格:45,100円
車の側面などにタープを張ることで住居空間を広げるアイテムです。
車中泊だけでなく、オートキャンプにもおすすめ。
ハイゼットカーゴの純正アクセサリー
出典:ダイハツ工業株式会社
価格:26,400円
フロントガラスとフロントサイドガラスの目隠しが可能。
網戸付きで、外の様子を確認することもできます。
カーテン
出典:ダイハツ工業株式会社
価格:38,016円(工賃込)
荷室の目隠しができるカーテンです。
このカーテンは上級グレードのクルーズ、クルーズターボのみ適用です。
USBチャージャー(1口/5V/2.1A)
出典:ダイハツ工業株式会社
価格:7,480円(工賃込)
車内でスマートフォンの充電が可能です。
アトレーの純正アクセサリー
カーテン
出典:ダイハツ工業株式会社
価格:38,016円(工賃込)
荷室の目隠しができるカーテンです。
車中泊中のプライバシーを守ります。
前席と後席の間に使用するセパレーターカーテンもあり、14,256円で装着可能です。
オーバーヘッドネット
出典:ダイハツ工業株式会社
価格:5,500円
別途マルチレール(22,308円工賃込)とサイドバー2本(1本5,500円)が必要です。
ちょっとした荷物をデッドスペースになりがちな頭上に収納できるため、床面を目一杯使って車中泊が可能です。
収納式デッキボードセット
出典:ダイハツ工業株式会社
価格:206,712円
2段収納や机、展開するとベッドとしても使用できるデッキボードセット。
展開時は最大200kgまで積載可能です。
N-VANの純正アクセサリー
マルチボード ラゲッジ用+リア用
出典:本田技研工業株式会社
価格:ラゲッジ用70,950円 リア用31,900円
ラゲッジ用・リア用のマルチボードを合わせれば、下に荷物が入る仕様の床から一段高い快適なベッドになります。
テールゲートメッシュ
出典:本田技研工業株式会社
価格:22,000円
サイズ:縦:2mm 横:1mm 約21メッシュ
テールゲートを開けたまま、車内で快適に過ごせるアイテムです。
アウトドアで森や川のおいしい空気を感じながら、車内で休憩するのもいいかもしれませんね。
外部電源入力キット
出典:本田技研工業株式会社
価格:37,400円(工賃別)
外部接続用ケーブルと外部電源設備を接続することで、エンジン停止中でも車内にAC100Vを引き込み、車内で電化製品を使用できます。
どんな人におすすめ?シチュエーション別おすすめ軽バン
3人以上での車中泊はエブリイがおすすめ
エブリイは荷室の広さもあり、唯一純正アクセサリでは2段ベッドセットが用意されています。
軽バンでは2人以下での車中泊というイメージが強いと思いますが、2段ベッドセットを使えば3人以上での車中泊も可能です。
フレキシブルに車中泊をしたい方はスペーシアベースがおすすめ
スペーシアベースの魅力は前席のシートが乗用タイプのように完全に後ろに倒せること、マルチボードが標準装備であることです。
マルチボードを使うことで、自分の使いたいように空間を変化させられます。
自分の部屋のようにデスクとして仕事や勉強、ボードゲームをしたりベッドとして使ったりと車内で快適に過ごすことができます。
価格を抑えた車中泊はハイゼットカーゴがおすすめ
ハイゼットカーゴは軽バンナンバーワンの広さと水平格納式リヤシートが魅力です。
車中泊用の純正アクセサリーは少ないですが、後席を収納すればすぐに車中泊が可能。
ベースグレードの新車車両本体価格は5車種の中で最も低価格(2024年5月時点)なので、費用を抑えて最低限のアイテムですぐに車中泊をしたい方におすすめです。
気軽に車中泊を楽しみたい方はアトレーがおすすめ
アトレーは水平格納式リヤシートなので、フラットなフロアで横になることが可能。
段差が気になることもないので、マットなどを敷かずにそのまま横になり、寝袋などを使って快適に過ごせます。
5車種の中で唯一、全グレードターボエンジン搭載なので高速道路を使った移動もストレスフリーで楽しめます。
充実したアイテムを使った快適な車中泊はN-VANがおすすめ
N-VANは車中泊用の純正アクセサリーが充実しています。
特に、助手席を倒してフラットにした1人での車中泊は手軽で快適です。
もちろん、運転席部分を使って2人での車中泊も可能。
豊富なアクセサリーを使って、自分でカスタマイズしながら自由に車中泊を楽しみたい方におすすめです。
【2024】軽バンで車中泊記事 まとめ
今回、2024年5月時点で販売されている軽バン5車種(OEM車を除く)を車中泊に必要なポイントをもとに紹介、比較しました。
同じ軽バンでも荷室の広さ、使い勝手、アクセサリーの種類などそれぞれに異なる個性があり、車中泊をする上で何を重視するかによっておすすめの車種は異なります。
「軽バンで車中泊をしたい」と考えている方は、ぜひ記事を参考に自分に合う軽バンを見つけてみてください。
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