
荷物を載せても力強く走行できるよう、使用するエネルギーが多い軽バンは、軽自動車の中でも燃費が悪くなる傾向があります。
しかし仕事やレジャーで長距離を走るからこそ、少しでも燃費の良い軽バンに乗りたいという方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では現行モデル5車種(OEM車を除く)の燃費ランキングや燃費良く走る方法、自分に合う軽バンの選び方を紹介します。
※この記事では、軽貨物車のトラック以外のバンタイプのクルマを軽バンと呼びます。
この記事を読んでわかること
- 軽バンの燃費ランキング
- 燃費が落ちる理由と燃費良く走るための工夫
- 自分に合う軽バンを選ぶためのポイント
軽バンとはどのようなクルマか

ランキングの前に、軽バンとはどのようなクルマなのか簡単に特徴を説明します。
種類
軽バンは小型貨物自動車に分類され、貨物を運ぶことを主目的に設計されています。
物を運ぶためのクルマである軽バンは、荷物を出し入れする開口部の面積や荷物を置く場所の広さに条件があります。
また後部座席の人が乗るスペースよりも、荷室スペースの方が広くなければならないという決まりがあります。
エンジンと駆動
貨物用の軽バンでは、ほとんどの車種でエンジンを運転席の下に搭載し、後輪を動かすFR(フロントエンジン リアドライブ)、またはエンジンをリアシート下に搭載し、後輪を動かすMR(ミッドシップエンジン リアドライブ)という駆動方式を採用しています。
その理由として多くの荷物を車体後部の荷室に積んで走る軽バンは、特に後輪の踏ん張りが重視されることが挙げられます。
ボディ
多くの荷物を載せて走るために、ボディが頑丈な構造であることも特徴のひとつで、デザインもあまり変わらないため長く乗っていても古さを感じないことが多いです。
また軽バンは荷室が広いため、荷物を載せるという使い方のほかにレジャーや車中泊に利用することも可能です。

軽バン燃費ランキングで紹介する車種と燃費数値について
軽バン燃費ランキングで紹介する車種と使用する燃費数値について説明します。
現行の軽バン一覧
現行の軽バン5モデルをまとめました。 ※OEM車除く
【メーカー・車種名】
- ・スズキ エブリイ
- ・ダイハツ ハイゼットカーゴ
- ・ダイハツ アトレー
- ・ホンダ N-VAN
- ・スズキ スペーシアベース
このほかに、エブリイは日産、マツダ、三菱、ハイゼットカーゴはトヨタ、スバルでOEM車が販売されています。
今回のランキングでは、上記5車種でそれぞれ駆動やミッション関係なく最も良い燃費数値を用いてランキングを作成しています。
軽バン燃費ランキングで使用している燃費数値
今回の記事では、カタログ燃費 WLTCモードの燃費数値を用いて現行の軽バン燃費ランキングを作成しています。
WLTCモードとは
WLTCモードは、2017年夏以降新たに加えられた燃費表示で国際的な試験方法です。
「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」の3つの走行モードによる燃費が表記され、これら各走行モードの平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モードがWLTCモードです。
ドライバー以外の乗員や積載物の重量など使用実態を考慮していること、ユーザーのクルマを使用する環境に合った燃費の比較がしやすい燃費表示です。
軽バン燃費ランキング
先述の通り、今回のランキングではエブリイ、ハイゼットカーゴ、アトレー、N-VAN、スペーシアベースの5車種でそれぞれ駆動やミッション関係なく最も良い燃費数値を用いてランキングを作成しています。
【1位 スズキ スペーシアベース】


出典:スズキ株式会社
- 車両本体価格:1,471,800円~1,744,600円
- カタログ燃費WLTCモード:19.9km/L~21.2km/L
1位はスズキのスペーシアベースです。
燃費はCVT車で21.2km/Lと、2023年12月現在発売されている軽バンの中で最も燃費の良いクルマです。
エンジンはパワフルで燃費性能の高いR06A型エンジンを搭載し、低燃費でなめらかな走りが魅力です。
「遊びに仕事に空間自由自在。新しい使い方を実現する軽商用バン」のコンセプト通り、標準装備のマルチボードを使って、車中泊やワーケーションなど、目的に合わせた室内空間を自由に楽しむことができます。
商用車の特徴である車内空間の広さや積載性、乗用車の特徴である運転のしやすさや快適性を兼ね備えた、いいとこ取りのクルマです。
- ●こんな人におすすめ●
- 低燃費で多目的に使える軽バンに乗りたい方、見た目にもこだわりたい方
スペーシアベースについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【2位 ホンダ N‐VAN】


出典: 本田技研工業株式会社
- 車両本体価格:1,365,100円~2,016,300円
- カタログ燃費WLTCモード:17.0km/L~19.8km/L
2位はホンダのN-VANです。
燃費はMT車で19.8km/Lです。
エンジンはDOHCエンジン、DOHCターボエンジンを搭載し荷物を積んでも力強い加速と低燃費を両立。
また静かでスムーズに走れるCVTとダイレクトな操作感や積載時の駆動力、高速走行時の静粛性を両立した6速マニュアルトランスミッションが設定されています。
N-VANの大きな特徴は、乗用軽自動車であるN-BOXやNワゴンと同じFF(前輪駆動)低床プラットフォームを採用したこと、助手席側のセンターピラーをなくしたことによって助手席側に大きな開口部が生まれ、積み下ろしをスムーズにおこなえるようになったことです。
仕事だけではなくアウトドアやレジャー目的で購入される方も多いクルマです。
- ●こんな人におすすめ●
- 助手席側から楽に積み下ろしをしたい方、アウトドアにも仕事にも使える軽バンに乗りたい方
N-VANについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【3位 スズキ エブリイ】

- 車両本体価格:1,197,900円~1,819,400円
- カタログ燃費WLTCモード:14.6km/L~17.2km/L
第3位はスズキのエブリイです。
燃費はMT車で17.2km/Lです。
エンジンはパワフルで燃費性能の高いR06A型エンジンを搭載し、太い低中速トルクが、荷物積載時にもスムーズな走行性能を実現しています。
トランスミッションは仕事・用途にあわせて選べる、5MT、CVTを設定しています。
スズキ エブリイは、何よりも「人の働きやすさ」を第一に考えて設計されています。
前席とバックドアのどちらも地上高が低く設定されており、乗り降りや荷物の積み降ろしがしやすく、作業の負担軽減へとつながります。
また、最小回転半径が4.1mと軽バンの中で最も小回りの利くクルマなので、都会の狭い道にピッタリです。
配送業だけでなく、小売業や卸売業、建設業の方など、様々な業種の方に広く使われているクルマです。
- ●こんな人におすすめ●
- 小回りの利く軽バンに乗りたい方、人の乗り降りや荷物の積み下ろしの頻度が高い方
エブリイについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【4位 ダイハツ ハイゼットカーゴ】

- 車両本体価格:1,045,000 円~1,606,000 円
- カタログ燃費WLTCモード:14.7km/L~15.6km/L
第4位はダイハツのハイゼットカーゴです。
燃費はCVT車で15.6km/Lです。
ダイハツ ハイゼットカーゴはFR用CVTを採用し、力強い発進性能、長時間の運転も快適で疲れにくい静粛性、長距離でも経済的に走れる燃費性能を高めています。
ハイゼットカーゴの特徴は軽バン最大の積載量です。
2名乗車時で荷室長1,915mm、荷室幅1,410mm、荷室高1,250mmと、荷室スペースが軽バンNo.1となっています。
また、窓開閉ハンドルや、床のアンカー金具、シートベルトリトラクターなどをフラット化することで、デッドスペースを無くすと同時に、荷物に傷がつかないような設計になっています。
ハイゼットカーゴは軽バンでCVTを初採用し、最大の積載量でもスムーズな走りを実現しています。
- ●こんな人におすすめ●
- 積載性能にこだわりたい方、大切な荷物を傷つけずに効率よく運びたい方
ハイゼットカーゴについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【5位 ダイハツ アトレー】


出典:ダイハツ工業株式会社
- 車両本体価格:1,562,000 円~1,826,000 円
- カタログ燃費WLTCモード:14.7km/L
第5位はダイハツのアトレーです。
燃費はCVT車で14.7km/Lです。
ハイゼットカーゴと同じくFR用CVTを採用しており、全車ターボエンジンを搭載しているため力強い走りが特徴。
ダイハツ アトレーの特徴はRVと呼ばれるレジャーや趣味などのようなレクリエーションのためのクルマとして活用できることです。
「第三の居場所」というキャッチコピーの通り、室内を自分の使いやすいようにカスタマイズ可能で、キャンプやオフィス、カフェとして自由に過ごせる室内空間が魅力です。
軽バンの中でも、仕事用ではなく、趣味を楽しむクルマであることを全面に押し出しています。
- ●こんな人におすすめ●
- 力強い走りを重視したい方、広い室内空間でレジャーや趣味を思い切り楽しみたい方
アトレーについて詳しく知りたい方は、下記の記事を是非ご覧ください。




燃費良く軽バンに乗るために


燃費は走行環境や、ドライバーの運転方法によって良くも悪くもなります。
カタログ燃費が良い軽自動車でも、運転の仕方によっては燃費が大きく落ちてしまうこともあるため注意が必要です。
燃費が落ちる理由
燃費が落ちてしまう環境や乗り方を紹介します。
ターボエンジン車
ターボ車はアクセルをついつい踏み込んでしまうことや加速を得るために燃料を多く使うため、燃費が落ちます。
上り坂
上り坂では速度を保とうとアクセルを踏み込むと、走行抵抗が大きいため燃費が大幅に悪化してしまいます。
速度が落ちるほど加速に必要な力が大きくなるので、速度が落ち始める前にアクセルを踏んでください。
エアコンやシートヒーターの使用
エアコンやシートヒーターなどの電装品の使用が多いと電気の使用量が多くなり、燃費が落ちます。
過度な使用は控え、エアコンは温度や風量を調節しましょう。
距離が短い
1回の走行距離が短いと、水温などの各部の温度が低い状態での走行が多くなってしまい、燃料を使用する量が増え、燃費が落ちてしまいます。
燃費を良くする走り方
燃費良く走るためにはどのような乗り方の工夫が必要なのか、紹介します。
アクセルをゆっくり踏み込む
発進する際に、アクセルペダルをゆっくりと踏み込むように意識してみてください。
AT車はブレーキペダルを離すだけで少し前進する(クリープ現象)ため、この自然な前進力を利用して走り出すと燃費が良くなります。
急ブレーキを避ける
停止するときは、急停止をしないよう早めにブレーキをかけることを心掛けてください。
また、エンジンの抵抗を利用したエンジンブレーキを使用してみてください。
燃費を良くするには、早めにアクセルペダルから離してエンジンブレーキを使用することが大切です。
荷物を載せすぎない
荷物や人により車の重さが増えると、発進するときに必要なエネルギーが大きくなります。
重い車体を動かすために自然とアクセルを踏み込んでしまうため、載せすぎにご注意ください。
メンテナンスをする
空気圧を適正に保つ、エンジンオイルやエレメントを定期的に交換し綺麗に保つことで燃費は良くなります。
特に長い距離を走る方はオイル交換をこまめにおこなうなど、定期的なメンテナンスをおすすめします。
自分に合う軽バンを選ぶためのポイント


軽バンの燃費ランキングを紹介しましたが、自分に合う軽バンを選ぶためにはどんなポイントを抑えるべきなのか
簡単に説明します。
予算
一般的にクルマを購入する際の予算は年収の半分以下と言われています。
年収の半分を越えてしまうと、購入時に組んだローンの支払いが負担になり、最悪支払いが滞ってしまう可能性があるためです。
特に軽バンで距離を乗るという方は、短い年数で乗換が発生する可能性もあります。
また軽バンは車種やグレードによって、価格に幅があります。
無理なく軽バンに乗るために、購入時に必要な費用や維持費を考えて予算を決めておきましょう。
用途
自身の用途に合わせた軽バン選びをすることで、後悔なく乗り続けることができます。
例えば配達で狭い街中を運転する、気軽に車中泊がしたい、高速道路を頻繁に使うためターボが欲しいなど、用途によって軽バンを選ぶ上での優先順位が決まります。
軽バンを購入後どこでどのように使用するのか、明確にしておくことで自分に合う軽バンを選ぶことができます。




まとめ


今回は軽バンの燃費ランキングや車種ごとの特徴、自分に合う軽バンを選ぶためにはポイントなどをご紹介しました。
軽バンはまだ、軽自動車の中では燃費が良いとは言えませんが、モデルチェンジを繰り返しながら軽乗用車の燃費に近づきつつあります。
燃費良く走るための工夫も取り入れながら、仕事やレジャーなど多方面で活躍する、自分に合う軽バンを選んでください。


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